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部員わずか5人。大会出場できないバレーボール部

このままでは秋の地区大会に出られない。横須賀市立長沢中学校(神奈川県)の女子バレーボール部に2022年、危機が訪れた。バレーボールは1チーム6人。3年生が夏に引退して部員が5人に減り、大会出場に1人足りなくなったからだ。

打開策は部員が6人しかいない近隣の市立北下浦中との「合同チーム」の結成だった。北下浦中は単独でも大会への参加が可能だったが、仮に病気やけがで1人でも欠けたら不戦敗になりかねない。両校の思いが一致した。

10月から週末のどちらか一日を合同で練習する機会にした。平日は放課後の移動に時間がかかることを考慮し、それぞれの中学で別々に活動する。試合形式の練習をするには人数が少なすぎるため、もっぱら基礎練習が中心だ。

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少子化でクラブを単独で維持できないケースが頻発

北下浦中2年の女子生徒(14) は「本音を言えば自分の学校で大会に出場したかったが、合同チームになったことで初めてレギュラー争いを経験できた。以前より練習に熱が入るようになった」と前向きに捉える。

横須賀市によると、市内に住む。0〜14歳が占める人口比率は1985年までは20%台を保っていたが、少子化でその割合が減少。2019年には10.9%まで落ちている。部員が減って大会参加が危ぶまれるケースは長沢中と北下浦中だけではない。市内ではこれまでにもバスケットボールや野球、サッカーで同様の事態が起きた。市担当者は「新人生の加入や3年生の引退のたびに単独にしたり合同にしたりを繰り返している。少子化の時代ではやむをえない」と話す。