「人間の根底は変わらないですよ、多分100億年経っても」

Q.13 ここ数年で、漫画家さんの作画環境や読者の読書環境のデジタル化が進んだり、縦スクロールなど新しい形式のマンガが出てきたりと、漫画というメディアが大きく変わってきているように思います。そのような変化をどう感じていますか?

どんなに時代が変わっても、やっぱりいいものというのは普遍的なものがあると思っていて、それが、これから歳をとっていく自分が大切にしたいものでもあります。人間の根底は変わらないですよ、多分100億年経っても。

Q.14 作画は基本的にデジタルだそうですが、カラーイラストはこれからもアナログで描くこともある、とおっしゃっていました。種村先生のカラーイラストはいつも繊細で華やかでとても美しいですが、アナログでカラーを描くうえでのよい点、難しい点など教えてください。

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『風男塾物語』より。アナログのカラーイラスト

アナログカラーのよい点は、とにかく早いこと!ですね。デジタルのイラストは際限なく時間をかけてしまいますが、アナログは取り返しがつかない代わりに、早く終わらせることができます。

デジタルをやってみて思ったのは、「どっちも手描きじゃん」ですね。模様とかストライプなどはデジタルでも手で描いていますから。

ただ、もし私がデジタルでも成功していると思われるなら、それは明らかに最初から「アナログでも描き続けていくつもりだったから」ですね。アナログの代わりにしようとすると、失敗するんじゃないかな…?

私の場合、アナログでも描き続けるつもりでデジタルを使い始めたので、アナログカラーの再現は目指してなかったんですよね。最初からデジタルだけにできることを模索していたので。そこが分岐だったような気がします。