パパ活の流行でホストクラブの客層も低年齢化
ホストクラブでは昔からあった売掛文化。その問題が表面化してきているのはホストクラブの利用客増加だけではないようだ。その現状について業界最大手「gd(グループダンディ)」のグループ店「カラーズ」でディレクターを務める、ゆうは氏はこう話す。
「僕が現役だった20年以上前から売掛はありましたが、現在のように、売掛金が数百万円から数千万円のお客様がザラにいるような状況ではありませんでした。今と違って売掛は若干、恥ずかしいという風潮があったんです。
しかし、2016~17年頃から変わり始めました。それまでのホストクラブのお客様といえば風俗嬢や富裕層などでしたが、パパ活などで若い子が数百万円単位のお金を簡単に稼げるようになって、そういう子が続々とホストクラブに来るようになった。そこから売掛をするお客様が一気に増えた印象です」(ゆうは氏)
確かに、ネットで「パパ活で稼ぐ」という言葉が普及し始めたのは2016年頃だ。それでお金を持て余した女性たちがホストクラブに流れ着いたということだろうか。
ゆうは氏は続ける。
「パパ活女子は20代前半が中心で、ホストクラブの客層の低年齢化に大きく関係している。
また、ホストがSNSで情報を発信するのが当たり前になってきて、それを見た普通の女の子たちがアイドルを見に行くかのような感覚でホストクラブに来たりするので、客層はかなり広がりました。
そうやって普通の女の子がホストにハマり、使うお金が大きくなっていって風俗店で働いたり、パパ活をするようになる……そんな構図ができたんだと思います」
実際にこの取材中、かつては昼間の職業をしていたもののホストにハマったことをきっかけに自ら風俗店で働くようになった女性と遭遇した。
彼女の稼ぎは多い時で1日10万〜15万円。相当な収入だが、貯金は300万円ほどしかない。
ホストからの強い希望で500万円のボトルを入れたこともあるそうで、そんな生活をしていればお金は貯まらないだろう。
彼女は高額なボトルを入れる際、例えばそれが500万円だとすれば、そのうち300万円をその日のうちに支払い、残りを締日までに払うか、間に合わなければホストに立て替えてもらっているのだという。
「担当(ホスト)には何度も『無理だ』と言った。でも『イケるよ』とか『2人の夢を叶えよう』という言葉をかけられて押し切られた」と話す。