大麻の生涯経験率1.4%という情弱な日本
そして、このHHCのマーケットに参入してきたのがブラックマーケットでTHCを販売している業者だった。THCという非合法なものを闇ルートで売るよりも、HHCと称してメルカリなどで"合法的に"売る方が効率的かつ儲けが大きかったとことも理由だ。
「HHCはTHCと効果が同じ」と言われていること、そして日本は大麻の生涯経験率が1.4%(2017年、厚生労働省調べ)と使用者数が非常に少ないこともあって、HHCとTHCの効果の違いがわからないために、HHCと称してTHCを売るという闇ビジネスが横行した。
これを受けて厚生労働省は、2022年3月7日に「人の身体に保健衛生上の危害が生じる恐れがある」として新たな指定薬物に加え、3月17日に規制を開始するという、前例がないスピード対策で取り締まりを行った。
「カンナビノイドの商品は今後もどんどん規制されていき、処方箋なしでは使用できなくなると思います。そうなれば悪徳業者が淘汰されていくのではないでしょうか。今必要なことは粗悪品を除外していくことと、ちゃんとした情報を提供していくことです。
実際に病気で苦しんでいて大麻を必要とする人のなかには、藁にもすがる思いで効果の期待できないCBDを購入する人も少なくありません。だからこそ、病人が安全に使用できるものを提供することが大事です」
「CBDによって大麻に対する裾野が広がった」と話す根岸さん。
CBDを皮切りに大麻を知ることとなった若者が増えた今、必要とされるのは大麻の正しい情報を伝えていくことだ。世界的に医療用大麻が続々と合法化されるなか、CBDをはじめとしたカンナビノイド市場は今後どのような動きを見せていくのだろうか。
#1は「大麻の規制緩和を訴える『マリファナマーチ東京』」こちら
取材・文・撮影/越前与