「CBN」に「HHC」と続々登場。過激化するカンナビノイド市場

現在のCBDを取り巻く状況で、根岸さんが最も憂慮しているのは「CBDの商品には何が入っているかわからない」ということ。販売されているCBD商品には、正規に検査された成分表や含有量表示がないものが多く、手にする人にとって本当に安全かどうかがわからない。

何がどれくらい入っているかが検査しないとわからないという状態が続いている。そしてCBDと明記されていながら、さらに強い成分のもの、そして違法であるTHCが混入している可能性もあるという。

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近年ではCBDの化学反応させた類似品の販売もあるという

「2021年の秋ごろにCBN(カンナビノール)というTHCから抽出されるカンナビノイド(大麻に含まれる炭素数21の化合物群)がオイルとして市販されました。こちらにはハイになる成分が含まれているので、これまでにTHCのような効果を期待してCBDを試した人たちがCBNに流れてしまいました。もともとは健康効果を謳っていたものでしたが、ハイになりたい人がこれを求めたため、次第に遊び道具のようになってしまいました」

そして、2022年に入ってからは「HHC(ヘキサヒドロカンナビノール)」という半合成カンナビノイドが登場。これがCBNを強力にしたようなハイになる効果があったこと、そして使用者が濃度を好きなように調整できるという特徴により、若者を中心に人気が爆発。

「HHCが出てきてからはCBDやCBNが売れなくなったため、CBN業者がCBN商品のパッケージにHHCと書いて売り出して、在庫を処分したりしていました。CBNやHHCが売れる理由は合法かつTHCと効果が同じという触れ込みのためです。

ですが、中身だけ違うものをHHCとして販売していた2021年12月~2022年3月あたりが一番グレーでした。フリマアプリなどで普通に売られていたほどですからね」