いわくつきの地下物件にできた奇跡の大行列

内装や設備と並んで懸案となっていたのが、「地下なんだから、ちゃんと告知しないとお客さんは来ない」という問題。これについても店を決めたときからずっと考えていました。
地上では朝から晩まで大勢の人たちが切れ目なく行き来していますが、物件が地下であれば視認性はゼロ。東京に下見に来たときには人混みの光景に圧倒され、これだけ人がいたら繁盛しないはずがないと思っていたのですが……。

【開店から3日間は55円】金沢カレーの火付け役「ゴーゴーカレー」はなぜ5月5日に創業したのか? いわくつきの地下物件に大行列ができた理由「やっぱり本気で汗をかくと人の心に届く」_3
地下の店舗に降りていく地上部分。地下というハンデを「街宣」とポスティングで克服したオープン時には大行列ができた

そこでチラシを大量につくり、それを手にみんなで街頭に出て「ゴーゴーカレーでーす!」「5月5日オープンでーす!」と、元・大工がつくったプラカードを掲げて声を張り上げながら配りました。

街頭のチラシ配り以外に、近隣のマンションやビルをしらみつぶしのように回ってポスティングも行ないました、その合間に誰かが必要なものを揃えるために買い物に行く。このように、学園祭の準備とほとんど変わらないドタバタのまま、5月5日のオープンを迎えたのです。

5月5日のオープン日。ぼくたち「ゴーゴーメンバー」は、いきなり失態を犯してしまいます。目が覚めたら、もう10時過ぎ。前日まで不眠不休で準備に追われ、なんとかオープンできるメドが立ったので、気持ちが緩んでいたのでしょう。いきなりの大寝坊です。

「やべえ! 早く行かなきゃ!」

店の近く、青梅街道近辺に借りた2DKを寮のようにしていて、一緒に雑魚寝していた仲間たちを叩き起こし、甲州街道沿いの店にダッシュすると、そこには信じられない光景が広がっていました。店があるビルの地上に、なんと大行列ができているのです。

「これ、ウチの行列なのか……」

半信半疑で階段を降りようとすると、行列はゴーゴーの店に続いていました。開店早々、大行列をつくったのです。

「うおー、これはやるしかない!」

なにがなにやらわからないうちに、記念すべきオープン初日は過ぎていきました。「なにをやってもうまくいかない」と言われていた、いわくつきの物件に大行列ができたのには理由があります。街角で配りまくりポスティングもしたチラシに、「開店から3日間は55円!」と大々的にうたっていたからです。