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「他がマネできないこと」が競争力に

日本生産性本部サービス産業生産性協議会が2009年度より発表している顧客満足度指数調査のコンビニエンスストア部門で、7年連続11度目の顧客満足企業1位に選出されたセイコーマート。

12万人以上の利用者からの回答をもとにした日本最大級の顧客満足度調査だ。他部門の1位企業では全国や東京を中心に展開する大手が名を連ねている中、セイコーマートは北海道と茨城県、埼玉県のみで展開するローカルチェーン。店舗数は約1200店と大手チェーンの10分の1にも満たない。その強みとはいったい何なのか。

セイコーマートを展開するセコマ渉外部の佐々木威知(たけとも)さんは、「創業時より店舗数の拡大で競争しようとは考えていなかった」と話す。

「当社で考えている競争力とはあくまでも、特徴づくり。他がマネできないようなものを持っていることが重要だと考えています」

北海道で生まれ育った筆者にとっては、セイコーマートは非常に身近な存在だ。

それもそのはず、道内179市町村のうち173に店舗があり、人口カバー率は99%以上。離島の店舗へは毎日船で商品を運ぶ。2018年、北海道胆振東部地震の際にも営業を続けて「神対応」として話題となったが、明らかに採算が取れないと思われる過疎地へも出店するなど、地域密着の地元企業である。

セイコーマートの前身は酒販店。1960年代後半から70年代前半にかけて、日本ではスーパーマーケットチェーンが著しく成長した。卸売業として取引先である個人商店が減っていくと予想した創業者が、取引先をどう存続させるかと考えた末、活路を見出したのが当時アメリカにあったコンビニエンスストア業態だった。

そして1971年、見よう見まねでコンビニ1号店を開店させた。現在の国内最大手のセブンイレブンより3年早かった。

セイコーマートがコンビニ部門で顧客満足度1位を独走できるワケ。創業時からブレない「店舗数拡大より、他がマネできないことを」_02
1971年、札幌市北区にオープンした1号店
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