5月5日に5人組で新宿に1号店を出店

創業時のスタッフ、通称「ゴーゴーメンバー」はぼくを含めた5人で、学生時代や添乗員時代の仲間が中心でした。2004年5月5日のオープンが刻一刻と迫ってきて、全員、寝る間がほとんどないくらいテンテコ舞いになりました。

【開店から3日間は55円】金沢カレーの火付け役「ゴーゴーカレー」はなぜ5月5日に創業したのか? いわくつきの地下物件に大行列ができた理由「やっぱり本気で汗をかくと人の心に届く」_1
創業時の新宿1号店の入口(現在は閉店)。たった8坪の狭い物件からの創業だった
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「あれがない!」「これはどうした?」とやらなきゃいけないことが次から次へと出てくるのです。店を出すのはもちろん初めての経験なので、すべてが手探り。計画もなにもあったものではありません。

いちばん困ったのが、店の内装や設備でした。物件を決めたはいいものの、店を出すには造作を整えなければなりません。しかし業者さんは最初、「この日数では絶対にできない」と言って工事を請けてくれませんでした。物件を決めたのが遅かったことに加えて、テナントが入ったビルなので、日中はほかの店舗の業務に支障をきたすという理由で、夜中しか工事ができなかったのです。

しかし、それではオープンできないので、「じゃあ自分たちでやります!」と告げると、業者さんには資材だけ運び込んでもらいました。

そして、「ゴーゴーメンバー」だけじゃ人手が足りないと、金沢から友人の中村正臣さんにも来てもらい、床材にドリルで穴開けをしたり基準線出しをしたり、プロがやる仕事を自分たちは一晩でやりきったのです。普通ならあきらめるようなことでもぼくは、「できるか? できないか?」ではなく、「やるか? やらないか?」とだけ考えるのです。

「ゴーゴーメンバー」には、金沢の繁華街・片町の飲み屋でボーイをしていた中山弘季さんがいて、その彼がたまたま大工をやっていた経験があり、「そういうことなら、オレができますよ」とみんなを引っ張ってくれて、ネックとなっていた床を作っていく工事を全員で黙々と仕上げました。我ながら、いい仲間に声をかけたものだと思いました。

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営業時間後に店内でカレールーの仕込みがスタート。キッチン内で、初代店長の中山弘季さん(右)と宮森さんの2人

この無理を実現させた素人集団のがんばりを見た工事業者さんが翌日、「この人たちは本気だ……」と思ったのか、これ以降の仕事も請けてくれました。