宮迫さんの奥様の“奇跡の音源”

TBS『JUNK』名物プロデューサーが「番組づくり」の極意を学んだ芸人とは? 寝ている妻への検証企画や超ヘビリスナー「定吉さん」いじりも_3

宮迫さんはとにかく器用だった。「二度見のコーナー」という「思わず二度見してしまったこと」を送ってもらうコーナーがあった。宮迫さんは多種多様な芸能人が出て来るネタメールを器用に雰囲気で物まねして読む。特徴を捉えるのがうまい。このコーナーひとつで毎週2000~3000通のメールが来ていて、宮迫さんは早めにスタジオに入って黙々と採用メールを選んでいた。

宮迫さんで印象的だったのは、餃子の王将から全編生中継をした回。王将さんのノリのよさで、深夜1時~3時まで貸切状態で生放送した。一時の時報明け、番組冒頭は「ジュー‼」っと餃子を焼く音から入る。宮迫さんが焼きたてを一口食べて「うまい!!」と叫ぶ。当時はまだ「飯テロ」なんていう言葉はなかったけど、明らかな「飯テロ」だし「ASMR」だ。

それまでさんざん番組でネタにしてきた宮迫さんの奥様についての検証もあった。生放送中、宮迫さんは王将を出発して自宅に向かう。王将の蛍原さんと中継を繋ぎ、リスナーから寄せられた指令を実行する。最難関は、寝ている奥様に話しかけるミッションだった。恐る恐る寝室に入り、「ただいま……」という宮迫さんに対し、「牛乳買ってきて」と即答する奥様。続けて「……パンも」と要求される。これはまさに奇跡の音源。宮迫さんはバラエティーの申し子だ。

「雨上がり決死隊べしゃりブリンッ!」では、リスナーと時間だけでなく“秘密”も共有して一緒に番組作りをした。2時間、相方にドッキリをかけ続ける企画は、リスナーも仕掛け人になった。ラジオネーム「西野すみちゃん」という名物リスナーを東京に呼んで宮迫さんと生中継でデートしたときも、リスナーから指令をもらった。「雨上がり決死隊べしゃりブリンッ!」は、いつもリスナーとともにあった。