ネタは「2%」から生まれる
――M-1グランプリ決勝で披露した「餅つき」をはじめとする、ユニークなネタはどのように生まれているのですか?
誠 こんなことしたら面白いかなっていうのをまず愛さんに2%くらいの状態で伝えてます。
愛さんが笑ったらその後ふたりでちょっと話して、一旦持ち帰って60~70%になったらもう一回持っていく。そこから、ふたりで立ってやることが多いです。
愛 伝えられて面白くないときはあんまりなくて、でも伝わるか伝わらないかですね。どう頑張ってもお客さんに伝わらなさそうだなと思うときもあったり、私がまずわかんないときもあって。
――例えば、わからないと思ったネタはどんなもの?
愛 「車の渋滞とかを回避する方法を見つけた。みんながバレリーナになればいい」というやつがありました。
誠 これはちょっと自分でもわかんないですね(笑)。
愛 自分もわかんないって言ってますけど、そのときはけっこう力説してたよ。「車という概念がいけない」って言っていた。
誠 バレリーナって優雅だから、バレリーナが渋滞してるとこ見たくないって……感じですね。渋滞回避するにはバレリーナになったらいいと思うっていうネタ。
愛 ちょっとわかんないですね。
――「餅つき」ネタの始まりの2%は、どのような感じで誠さんから愛さんに伝えたんですか?
誠 思いついたのは2022年の1月でしたね。「大きい声でお餅つくの面白くない?」って。
――それはお正月だから?
誠 それはあったと思います。意識していないんですけど、我々は「和」が好きみたいで。
2021年のM-1は「YMCA寿司」ですし、その前のM-1は「どすこい」でお相撲さんなので。昨年のABCお笑いグランプリでは「お神輿」。なんか全部「和」だなぁって。
愛 それで、お餅つく人って「ぺったんこ」っていうよな、と。
誠 お餅つかないほうの人って大きい声出す必要ないんですけど。こいつが大きい声を出しているのが一番おかしいんですよ。