統一教会が日本で広まったきっかけと、自民党とカルト宗教が癒着していることの本質的な問題点とは。知っておきたい政教分離の基礎知識_2

Q3では政教分離とは、どういうことなのですか。

民主主義ができた当時、いちばん大事なのは「政教分離」(政治と教会の分離)でした。この考え方を、おおもとにさかのぼって考えてみましょう。

アメリカは、ピューリタン(清教徒)の国、ということになっています。たしかにピューリタンが、メイフラワー号に乗ってやって来て、1620年にプリマスに上陸し、植民地を築いた。

ピューリタンの信仰にもとづいて教会を建て、社会を運営しました。マサチュセッツのほかの植民地も、ピューリタンが築きました。でもそれは、ものごとの一面です。

ヴァージニア植民地は、イングランド国教会でした。メリーランドはカトリックでした。ペンシルヴァニアはクエーカーでした。植民地ごと、州ごとに、人びとの信仰は違ったのです。そして誰もが、自分の教会の信仰を守りたいと思っていました。命をかけても。

さて、こんなバラバラな信仰を背景にした州がいくつも集まって、ユナイテッド・ステイツとして団結し、イングランドから独立しようと戦うことになりました。

司令官(大統領)にジョージ・ワシントンを担いだ。そして独立を勝ち取り、アメリカ合衆国を樹立します。その憲法に、世界で初めての民主主義国家の原則が、さまざまに書き込まれました。

そしてその修正第一条が、「政教分離」(separaation of state and church)の原則です。

それは、「公定教会」(established church)をつくらないことにしましょう、という意味です。これがわからない。「公定教会」とは何でしょう。

公定教会とは、政府が税金を特定の教会に注ぎ込むことです。そういうことはなしにする、が政教分離のなかみです。

日本人は、政教分離と聞くと、そうか、宗教はどうでもいいから、政治と分離しておくのだな、と思うかもしれません。

その逆です。

宗教は、大事で大事で、人びとの生活の中心です。みんな、自分の教会を大事にしたい。安心して自分の教会に行くため、政府はよその教会と結びつかないと決めておく、なのです。

この結果、教会はみんな、税金を使わないで、信徒の献金で維持されることになります。税金は全員が払うものでしょう。その税金を特定の教会に注ぎ込むと、それ以外の教会との不平等が生まれます。すると信仰の自由が脅かされます。

信仰の自由を守るために、政府はどの教会も平等に扱ってください。どの教会の信仰を選び取るかは、市民一人ひとりが自分で決めます。これが、合衆国憲法に書かれた政府と教会の分離、すなわち政教分離の原則です。

これは、アメリカ合衆国憲法で初めて確立しました。

政教分離の原則は、信仰の自由と、表裏の関係にあるのです。