転職希望者はたくさん。でも本当に転職する人は「半分以下」
——佐野さんの新刊『ゼロストレス転職 99%がやらない「内定の近道」』 の中で、近年の転職志望者は約800万人と非常に多いが、実際に転職するのはその半分以下だと書かれています。なぜ実際に転職する人が少ないのでしょうか。
転職のハードルはいくつかありますが、中でも影響が大きいのは「1社で勤めあげることが美学」という考えの人が未だに多いことが挙げられます。
日本は転職が当たり前の文化ではなかったので、特に初めて転職する方は「本当にこの会社を辞めてよいのだろうか…」と非常に悩むと思います。
また、転職活動に時間を要することも、転職を諦める原因のひとつです。在職の方が転職しようと思ったら、日中仕事をしながら転職活動することになります。
そうすると転職エージェントとの面談や転職先探しなどは、平日の仕事が終わった夜の時間か土日に行うことに。これが想像以上にハードスケジュールだと、精神的に心が折れて諦めてしまうというケースもすごく多いです。
——たしかに転職は、精神的にも肉体的にもハードな印象があります。
今でこそ転職活動はだいぶ仕組み化されていますが、やることは多いですよね。プライベートを犠牲にする覚悟が必要な状況です。
それから転職活動は、興味のある企業や志望度が高い企業から受けていくことが多いですが、最初に受けた数社で決まる人はごく一部の優秀な方や学歴の名前の知れた企業出身の方だけです。
たいていの方は数社連続で不採用になってしまうため、そこで「私には転職なんて無理なのかな…」と落ち込んでしまう方も多い印象がありますね。
「やってみたら意外と大変だった」というのが、転職活動の初期に抱きやすい感想だと思います。