疲れが出てきたときは
仲間同士の
「愛ある注意」で
途切れた集中力がよみがえる
――― イェール大学ジューらの研究
忙しくて、ろくに休憩も取れないまま働き続けていると、どうしたって注意力は低下してしまうものです。忙しいときほどパフォーマンスを上げたいところなのに、失敗やミスが出てきて、余計にイライラ。そんな経験はないでしょうか。
こうした悪循環を防ぐにはどうすればいいでしょうか?
長期的、かつ理想的な解決策は、自分の能力を向上させること。つまり、一つの仕事にかかっていた時間を、8割くらいに短縮し、短縮できた時間に休憩を入れたり、個人的なインプットができるようにすること――でしょう。
ただ、「今すぐ!」、可及的すみやかにパフォーマンスを上げたいという場合もあります。そんなとき、すぐに効果を発揮するメソッドが、「同僚たちとチームを組む」ことです。これは、自分の仕事を他の人にもやってもらう、という意味ではありません。仕事は、任せられたものを各々でやります。
では、何がチームなのかと言えば、時折、仲間のコンディションをチェックし合い、疲れていそうな人がいたらそれを指摘する、というルールを決めてチームを組むのです。
イェール大学のジューらは、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を使い、被験者の脳の活動状態の撮影を行いました。
この実験では、参加者に「顔」や「風景」などを重ねた複数の要素からなる画像を見せ、注意が散漫になる瞬間を調査しました。そして、明らかに「注意が散漫になっている」という状況のとき、被験者たちに「注意力が落ちていますよ」と教えたのです。すると、彼らに再び集中力が戻り、脳が良いコンディションに戻る、という結果になりました。
つまり、単に「注意力が落ちてますよ」と根拠を持って説明するだけで、脳は「そうだったのか!」と刺激を受けてシャキッとしてくれるのです。ですから、隣のデスクから聞こえるキーパンチの音数が減っていたら、そのことを指摘するようなチームを個人的に組むだけで仕事の効率がアップするというわけです。ただ、指摘するときに気をつけていただきたいのは、その言い方です。