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昼夜問わず聞こえる爆発音、しかし一体どこで何が起きているのか分からない…

ロシアがウクライナに全面侵攻を開始してから2日後の2022年2月26日の午後5時から28日の午前8時まで外出禁止令が発表された。

すでに非常事態が宣言され、18歳から60歳のウクライナ人男性は出国を禁止されていた。テレビ各局は「TVマラソン」と銘打ち、抗戦ムードを盛り上げる番組を24時間流していた。

その間、続々と不穏な情報が耳に入ってくる。

「(首都から30キロの)ホストメリの空港がロシア軍に占拠された」
「ロシア軍が(首都の北に位置する)チョルノービリ原発を占領した」
「2000人のロシア軍空挺(くうてい)部隊が首都に展開しようとしている」

テレビでは、キーウ近郊の町から銃弾のなかを避難しようとする人々の映像が流れていた。

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私たちがいた左岸でも昼夜問わず断続的に爆発音が聞こえてきたが、一体どこで何が起きているかはよく分からない。

ゼレンスキーが首都を脱出したという、恐らくロシア発の真偽不明の情報も流布されていた。すると、2月25日夜、ゼレンスキーが大統領府幹部らとともに携帯電話で自撮りしたビデオメッセージを発信した。薄暗いが、場所は大統領府の外であることが分かる。

「大統領はここにいる。みんなここにいる。兵士たちもここにいる。国民もここにいる。独立を守るために、我々はみなここにいるのだ」

首都に潜入していた工作員や特殊部隊がゼレンスキーを殺害しようとしているとの情報も出回っていた。シンプルなメッセージを見て、私は命を懸けた男の決意に素直に感じ入った。しかし、どこまで持つのだろう。