『タモリ倶楽部』のような唯一無二に
再び出会うことを願って

『タモリ倶楽部』の番組終了にあたって、テレビ朝日のコメントは「番組としての役割を十分に果たした」というものだった。

本当にそうだろうか。

もちろんタモさんも77歳でいつまでもお元気とは限らないし、ご健在なうちに幕を引くというのも一つの考え方だろう。

しかし「番組としての役割」はタモさんが生きて『タモリ倶楽部』を続けているかぎり、なくならないのではないだろうか。そのくらい『タモリ倶楽部』は唯一無二の番組だった。

4月以後、行き場のなくなった趣味人たちは流浪の旅に出ることになる。
再びタモさんの境地に達した誰かが、流浪の番組を始める日を待ち望みながら。

文/前川ヤスタカ イラスト/Rica 編集協力/萩原圭太