でも「美容代や洋服代でお金がかかるからおごれ」は間違い

ただ、私も「女は美容代や洋服代にお金をかけてデートに臨んでいるからおごれ」といった意見にはまったく頷けない。
それが通用するのであれば、「燃費の悪い高級車で迎えに来たからガソリン代を払え」が通用してしまう。

そもそも、今は男性だって美容にお金をかける時代。それに、私は男性のために美容代を費やしているわけでも、化粧をしているわけでもない。同性や家族と出かける時だって、化粧はするし、かわいい服を着る。
たとえ、デートのために美容院に行ったり、新しい服を買ったとしても、それは自分がデート相手に気に入られたくてしたことなのだから、結局は自分のためにしたことだ。

“デート代おごるべきか否か論争“に炎上恋愛インフルエンサー妹尾ユウカが参戦。「おごられて当たり前女子とそれに怒る男性は現実世界では交わることがないのだから不毛な争いなんです」_2
※写真はイメージです

ちなみに私自身、過去に自分のツイートが発端で、似たような“割り勘論争”を巻き起こしたことがある。

その際には「割り勘にすることによって"おごった・おごられた"の関係をなしにしてあげている。この気遣いがわからないなんて……」と西東京在住のオッサンから元気なお便りが届いた。
このオッサンの謎の気遣い、大抵の女性は「そんな気遣いはいらないから、もっと身だしなみや店選びに気を遣え」と思うだけなのではないか。

ともあれ、昨今、定期的に勃発するこの論争、これは現実世界では交わることのない属性の老若男女が、SNSというネット世界で出会ってしまうからこそ起きる不毛な戦いだ。
おごられたい女はおごってくれる男のまわりに行くし、おごりたくない男はおごらなくてすむ女を愛でる。

“デート代おごるべきか否か論争“に炎上恋愛インフルエンサー妹尾ユウカが参戦。「おごられて当たり前女子とそれに怒る男性は現実世界では交わることがないのだから不毛な争いなんです」_3
画像/本人提供
すべての画像を見る

どちらの意見の側にも互いの正義があり、日頃通用している互いの当たり前や普通がある。つまり、おごられるのが当たり前という価値観側の私がこんな記事を書いたところで、論争は収束しないし、ぶつかり合ったところでわかり合えることもない。

だから、ネット上でも「いかに交わらずに生きていくか」が互いのためではないだろうか。

文/妹尾ユウカ 集英社オンライン編集部ニュース班