「この本を面白いと思える瞬間が人生のどこかにあると思う」

――ユアレコでも、自分はただ旅行しているだけだから楽しいとおっしゃっていたり、この企画でも、瀧さん自身が散歩を楽しんでいると思うんですけど、そういう中でも、受け手を楽しませるということは意識されていらっしゃいますよね。

前提としてアウトプットがあるわけですから、はっきり伝えたいものがあるとか、自分をわかってほしいわけではないですけど、状況を細かく説明したりして受け手のことを考えるのは、マナーっていう感じですね。

すべての肩書がとれたピエール瀧が大切にする表現者としてのマナー。「ムダにするのは、時間かお金かのどっちかですね。両方はやりすぎです」_3
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――会った人から言葉を引き出して読み物として楽しませる、瀧さんのインタビュー能力もすごいと思います。

そうですか、ありがとうございます(笑)。それだったら嬉しいんですけど、この書籍に関しては、この分量ですからね(笑)。

――各区のパートの最後に毎回の歩数がありますけど、一晩で15,000歩ってかなりすごいですよね。

20,000歩超えたこともありますね。ただ、これでもかなり抜粋してるんですよ。noteに掲載しているものは、歩いた記録の中から食べられる実を選んで、盛りつけたフルバージョン。そこからもうちょっとシェイプしたものを収めたのがこの書籍なので。全部載せたら、この厚さで2冊になっちゃいますから。

でも、変化っていう話がありましたけど、今はこの本を手に取らなかったとしても、自分が変わってきたり環境が変わってきたりする中で、「これ、面白いな」って思える瞬間が人生のどこかであると思うんですよね。そういう時にうまくこの本が、その人の前に現れてくれるといいなと思いますね。