ライオンたちと生活することが、すべて

――現在ショーに出ているライオンたちはそれぞれ、どんなタイプですか?

ロミオとジュリエットは18歳。ジュリエットは、本当に素晴らしいレディですね。ロミオは、ご機嫌なときはとてもいいライオンなんですけど、ときどきいじわるになることがあります(笑)。

でも、彼はルックスや動き方がエレガントで、ショーで見栄えがしますね。わざと私の言うことを聞かないといった難しいパフォーマンスは、彼だからできるし、似合うんです。

「週に一度はエサ抜き」「機嫌が悪くショーに出られない日も」…調教師が明かすサーカスのライオンたちの舞台裏。「ハッピーなライオンは、ハッピーなショーができる」_4
マイケルさんを見つけると、甘えるように近づいてくるロミオ(右)とジュリエット(左)

ホワイトライオンのシーバとフェローの2頭は血縁関係はないけれど、同い年の16歳。野生のライオンはメスがハンターなので、シーバのほうが好奇心旺盛で取材の人が来ると興味津々。

そんなときも、オスのフェローはあのとおり、ベッドでのんびりしています(笑)

「週に一度はエサ抜き」「機嫌が悪くショーに出られない日も」…調教師が明かすサーカスのライオンたちの舞台裏。「ハッピーなライオンは、ハッピーなショーができる」_5
フェローとシーバは、「カップルではなく、友だちという感じだね」
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オヤツの馬肉をペロリ。「取材の人が来ると、いつもよりたくさんオヤツをもらえると思ってるんだ(笑)」

――マイケルさんがライオンたちと1日中一緒に生活しているからこそ、1頭1頭のことがよくわかるのですね。

テントの裏手に動物用のスペースと我々の居住スペースがあるのですが、どこに行っても隣同士。彼らの様子がよくわかりますね。

歩き方、声、水の飲み方、餌の食べ方、排泄、運動場に出すときの動きなどまで気を配っていますから、その日のコンディションは把握できています。ライオンと一緒に生活することが、私の人生のすべてなのです。

「週に一度はエサ抜き」「機嫌が悪くショーに出られない日も」…調教師が明かすサーカスのライオンたちの舞台裏。「ハッピーなライオンは、ハッピーなショーができる」_7
ライオンのスペースの向かい側には、マイケルさん一家が生活する移動式のハウスがある