ライオンたちがハッピーでいることが一番大切

――マイケルファミリーの1日を教えていただけますか?

朝は6時半頃にライオンたちの部屋を掃除してから、彼らに食事を与えます。食事は1日に1回、馬肉や鶏肉を1キロから3キロくらいです。量に幅があるのはそれぞれの年齢や体重、その日の体調をみながら調節するため。

そして、週に1日、何も与えない日を作ります。なぜかというと、野生のライオンは獲物を倒せた日が食事の日。毎日食べられないのが普通なのです。ですから、飼育下のライオンも胃を空っぽにする日があるほうがナチュラルに近いので、体調がいいのです。

――ショーは2回公演の日、3回の日、休演日とありますが。

基本的には運動場でリラックスして過ごさせ、開演の1時間ほど前にハウスに入れて備えます。公演の合間はリラックスタイム。今日のように晴れていれば日光浴をしながらのんびりしています。

「週に一度はエサ抜き」「機嫌が悪くショーに出られない日も」…調教師が明かすサーカスのライオンたちの舞台裏。「ハッピーなライオンは、ハッピーなショーができる」_12
タテガミがないのでメスだと思われることも多い、ロミオ。マイケルさんによると「ときどきタテガミが生えないオスもいるし、一時的に落ちてまた生えてくることもある」とのこと

――オンとオフをしっかり分けているのですね。

そうです。バックヤードはリラックスする場所。ですから訓練的なことはいっさいやりません。休演日は一日中がリラックスタイムです。

「週に一度はエサ抜き」「機嫌が悪くショーに出られない日も」…調教師が明かすサーカスのライオンたちの舞台裏。「ハッピーなライオンは、ハッピーなショーができる」_13
ショーの間の休憩時間。ポカポカの陽差しに、思わずあくびが…

――マイケルさんのモットーを教えていただけますか?

ハッピーなライオンは、ハッピーなショーができる。彼らが毎日ハッピーでいられるよう、私は常に考え、彼らのことを思っています。ぜひハッピーなライオンたちのショーを観に来ていただきたいですね。

「週に一度はエサ抜き」「機嫌が悪くショーに出られない日も」…調教師が明かすサーカスのライオンたちの舞台裏。「ハッピーなライオンは、ハッピーなショーができる」_14
トラの入り口を抜け、真っ赤なテントに入るとショーの始まり!
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撮影/山口規子 取材・文/工藤菊香

木下サーカス公式サイト
https://kinoshita-circus.co.jp/

3月12日(日)まで公演中!
立川公演 
立川駅北 立川立飛特設会場 〜3月12日(日)

新潟公演
2023年3月25日(土)〜6月19日(月)
新潟県スポーツ公園 第4駐車場特設会場