NHK党の会見には
「ゆたぼん」「金正恩総書記のモノマネ芸人」も登場
そもそもガーシー氏は、立花氏が、知名度のある「目玉候補」として参院選の比例区に擁立した。NHK記者が背景を解説する。
「参院選の比例区では、政党名か個人名を書くことができます。立花氏は、『暴露系ユーチューバー』として物議をかもしていたガーシー氏なら、知名度やインパクトがあり、当選の可能性があると踏んだのです」
そのうえで、こう言って頭を抱える。
「NHK党は、2019年の参院選で1議席を獲得しましたが、その後は立花氏が党名を頻繁に変更するなど、暴走、迷走が目立っていました。2021年の衆院選では議席を獲得できませんでしたし、2022年の参院選でも当選者はゼロだろうと思っていました。それが、ガーシー氏が1議席を獲得できたので、『まさか』と思いました。NHKにとっては、本当に面倒な存在です」
NHK記者をも油断させた、立花氏の暴走、迷走の数々。それは、普段あまり報じられることのない、国会内での定例記者会見でもおなじみだった。
全国紙政治部記者が振り返る。
「通常、党首クラスの会見は15分~1時間程度で終わるものですが、立花氏の毎週の記者会見は、2時間ほどかかることもザラ。なぜかゲストも来るのです」
実際に過去には、学校に通わない少年革命家「ゆたぼん」が『自分の道を突き進んでいく。なんでみんなと同じことをしないといけないのか。なぜ宿題をやらないとダメなのか』と持論を展開したり、迷惑系ユーチューバーとして活動していた「へずまりゅう」氏の参院補選出馬会見に、北朝鮮の金正恩総書記のモノマネ芸人『ぷりん将軍』が参加したこともあった。
「国会内の会見場にいきなり『金正恩』ルックとあの髪型、丸々とした顔のそっくりさんが現れたときは、何事かと思いました。記者たちもあまりのくだらなさに、徐々に会見に出席しなくなっていました」(前出の全国紙政治部記者)
ただ、その中でも、出席を欠かさない真面目な記者もいるそうだ。
「NHKは、危機管理のため、中堅の実力派記者を担当につけ、毎回出席させています。ひたすら『守りの姿勢』を貫き、どんなユーチューバーや芸人が現れようとも、神妙な顔で会見を聞き、会見の音声の起こしをNHKの経営陣にも共有しています」(NHK記者)