TikTokで楽曲使用しても
著作権侵害にならない理由とは

ここまではフリー素材の著作権にまつわる注意点を解説してもらったが、実は我々が普段なにげなく使っているもののなかにも、著作物を無断使用しているケースも考えられるという。

たとえば、プレゼン用の資料作成のときにネット上に公開されているデザインのテンプレートを参考にすることがあるかもしれない。高橋氏いわく、使い方によっては要注意だそうだ。

「デザインのテンプレートも著作物ですので、無断使用すると違反になる可能性があります。同じような事例として、イベント告知用のポスターやフライヤー、またはフリーマーケットなどで使用する価格表のデザインなども、他人のデザインを無断使用してしまっているケースは少なくないと思います。基本的に誰かが目的をもって作成したものには、必ず著作権が発生していると覚えておきましょう」

テンプレートを無断使用したポスターやフライヤーがSNS上で拡散されるなどして、それがもし権利者の目に留まれば、賠償金を請求されるリスクもあり得るというわけか。

だが一方で、一見アウトに見えるが実は権利的にセーフな事案もあるので、すべて同列に語ることはできないとのこと。たとえばTikTokで使われている音楽は、アウトに見えてセーフなのだとか。

あなたも無自覚なSNS犯罪者!? フリー素材だと思っていたら11万円も請求!? 著作権侵害という落とし穴_2

「実はTikTokはJASRACと業務提携しているので、TikTokが指定する楽曲であれば自由に使用可能になっています。よく有名楽曲がBGMとして使われていることに対し、『商業用の楽曲を使っているのに著作権侵害にならないの?』と疑問に思っていた方も多いでしょうが、あれはセーフというわけです。

かつてYouTubeでは、許諾を取らずに音楽を付けて動画投稿するユーザーが多かったことから、プラットフォーム側で著作権管理団体と提携し、動画内で楽曲を使用できる体制を整えたのですが、TikTokでも同じやり方を採用しています。ただ、もちろんTikTokやYouTube内でのルールを守れていない場合は、アカウントBANや動画削除などのペナルティが課せられますので注意してください」