この世界に飛び込んだことは、運命を変える大きな選択だった

――劇中で四月一日は「選択することで変えられる運命がある」ことを侑子に教わります。玉城さんはモデルとして活動をスタートさせてから今年で10年ですが、これまでのキャリアで運命を変えた選択はありましたか?

14歳のときにこのお仕事についたことが大きな選択だったと思います。そしてデビューしてまだ1年くらいの早い段階で上京すると決めたこともそう。いいことばかりではなかったけれど、運命が変わった大きな選択ではありましたね。

――その選択はご自身でされたものですか?

そうです。もちろん未成年だったので親の許可はもらいましたけど、決断は自分でしました。「やりたいんだったらやってみたら?」と意外にも反対されなくて。理解のある家族でよかったです。

想像もしなかったことが目の前に現れた――。映画『ホリック xxxHOLiC』出演。玉城ティナの14歳の選択_c

――玉城さんが何かを選択をするときのルールは?

10代の頃と今とでは全然違いますね。昔は自分ひとりで決めていましたが、今はもっとほかの人の意見を聞くようになりました。ひとりで全部抱え込んでいてもなかなか決断できないことは、ほかの人に分けて聞いてもらおうみたいな、軽やかさが出てきた気がします。そうやって人の意見に耳を傾けることで選択を変えることもありますしね。精神的な余裕が生まれたのかもしれません。

想像もしなかったことが目の前に現れた――。映画『ホリック xxxHOLiC』出演。玉城ティナの14歳の選択_d

――プライベートでは大変な読書家で、随筆や短編小説も執筆しています。2021年には『アクターズ・ショート・フィルム2』の短編『物語』で監督と脚本も務められました。今後新たにチャレンジしたいことはありますか?

それがわからなくて(笑)。私は資格も持っていないし、大学にも行っていないので、自分の中にあるものを引き出すしかない。それしかできないと思いながらやっています。ただ、表現したいことが溢れ出るみたいなタイプではないんです。例えば監督のお仕事も「どうですか?」とお話をいただいたことから始まった企画。このお仕事を始めたことを含め、いつも自分が想像していなかったことが目の前にポンッと現れる感覚なんです。周りの方たちが作り出す準備をしてくれているからこそ、表現することができている気がします。

――では、今のお仕事を何が何でも続けたいと思っているわけではない?

はい(笑)。お仕事をやめて沖縄に帰ってもいいって思ってます。東京にずっといたい気持ちもそんなにないので、沖縄の家をリフォームして住むのもいいかも。基本、流れに身を任せるタイプなんです。だからこそ言い訳をせず、「いつやめても大丈夫」と言えるように全力でお仕事をしたいと思っています。