「純士、久しぶり」
――運営にも噛みついた(笑)。
そうしたら審査に通って、オーディションに呼ばれた。喋りだけは自信があったから「よし。ここまで来たら、あとは俺のステージだ」と。登場から全部がエンタメでパフォーマンスだと考えて、誰よりも目立つあの赤いスーツで登場した。
普段はあんなスーツは着ませんけど、「暴れるヤツは沢山いるだろう。でもこのジャンルをやれるのは俺しかいない」という考えで、僕はとにかく紳士な装いで、サングラスもかけて。
チャップリンじゃないですけど、行く途中の100均で杖を買って。ヤクザの組長みたいなフリをして、偉そうに出て行ったんです。
――“バン仲村”を自ら演出したのですね。
オーディションで僕の番が来た時に、「純士、久しぶり」と淡々と始めて。ただぶっちゃけると、唯一そこだけは一か八かだった。「お前なんか知らねえよ」ってアイツに言われたら、そこから「知っている」にひっくり返すのが大変だなと。でも結果的に純士から出たワードが「光だろ、あの時は悪かった」。
その返答はちょっと想定外で…というのも、僕の存在を認識してくれたとしても、謝られるまでは想像してなかったから。「オーディションの帰り道も恐れてた」って後で彼から聞いたから、「本当にやり返しに来た」と感じたんだと思う。