「純士、久しぶり」

「本当の喧嘩ってのは、誰もいない山奥に連れて行って10秒間でケリつけて、あとは平れ伏させるんだよ」過去の因縁を清算するため、裏から表へ。話題を呼んだ『BreakingDown 5』オーディションの裏側_2

――運営にも噛みついた(笑)。

そうしたら審査に通って、オーディションに呼ばれた。喋りだけは自信があったから「よし。ここまで来たら、あとは俺のステージだ」と。登場から全部がエンタメでパフォーマンスだと考えて、誰よりも目立つあの赤いスーツで登場した。

普段はあんなスーツは着ませんけど、「暴れるヤツは沢山いるだろう。でもこのジャンルをやれるのは俺しかいない」という考えで、僕はとにかく紳士な装いで、サングラスもかけて。

チャップリンじゃないですけど、行く途中の100均で杖を買って。ヤクザの組長みたいなフリをして、偉そうに出て行ったんです。

――“バン仲村”を自ら演出したのですね。

オーディションで僕の番が来た時に、「純士、久しぶり」と淡々と始めて。ただぶっちゃけると、唯一そこだけは一か八かだった。「お前なんか知らねえよ」ってアイツに言われたら、そこから「知っている」にひっくり返すのが大変だなと。でも結果的に純士から出たワードが「光だろ、あの時は悪かった」。

その返答はちょっと想定外で…というのも、僕の存在を認識してくれたとしても、謝られるまでは想像してなかったから。「オーディションの帰り道も恐れてた」って後で彼から聞いたから、「本当にやり返しに来た」と感じたんだと思う。