#1  #2  #3  #4  #5  #6  #7    #8   #9  #10 #11  #12

当時は「なんて熱心な先生なんだろう」と…

今回、警視庁が新たに逮捕した中村成美容疑者(26)=東京都あきる野市=は同塾では国語を教えていた。一連の事件の発端になった、森崇翔容疑者(24)=同日野市=に自身の子供が盗撮され、その動画をロリコン仲間たちのSNSにさらされたある保護者は今年5月、中村容疑者に通塾についての相談をしたという。

中村容疑者(撮影/村上庄吾)
中村容疑者(撮影/村上庄吾)
すべての画像を見る

「娘の学習態度が定まらなかったので、場合によっては塾を辞めることも考えなければと思い、5月上旬に『今すぐではないのですが、退塾したい場合はいつまでに申告して手続きすればいいですか』と問い合わせました。この際に電話を受けてくれたのが中村講師で、娘の様子を伝えると『ちょっと考えてみます』ということでいったん会話が終わりました。しばらくすると、中村講師から『(担任の)森が直接、娘さんと話したいと言っています。校舎に来てお話できる時間ありますか?』と電話がかかってきたんです」

森容疑者(撮影/集英社オンライン)
森容疑者(撮影/集英社オンライン)

この呼び出しで教室に向かった女児が森容疑者に何をされたかは、♯1で詳報している。当然、女児Aさんも保護者も、塾の講師が邪な欲望を抱いて呼び出したことなど、知る由もなかった。

「この際にも動画を撮られていたので、中村講師が森講師の盗撮趣味を知ったうえで仲介していたとしたら、組織ぐるみだったと言われても仕方がないでしょう。当時は私としては、娘にまだ塾を頑張ってほしいと思っていましたし、森講師も熱心な先生だと思っていました。授業がなくても塾は自習のためによく訪れていたので、授業のない日に呼び出されてもおかしいなんて一切思いませんでした。実際に中村講師からは『森先生は休みなんですけど、娘さんと話がしたいので出てくると言っています』と水を向けられたんですよ。今、思えば先生が休みをつぶしてわざわざ出てくるのもおかしな話かもしれませんが、当時は『なんて熱心な先生なんだろう』と。情けない話なんですけど、何も気付かずにいました」(前同)

森容疑者が書きこんだSNS(知人提供)
森容疑者が書きこんだSNS(知人提供)

中村容疑者がどんな思いで“仲介”をしていたのかはわからないが、結果的に同じ塾内にロリコン趣味を持つ講師が複数いて、いずれも逮捕されたことに、この保護者はショックが隠せない様子だ。

「四谷大塚の管理は本当にずさんです。そもそも塾でこんな盗撮行為が起きること自体がおかしいけど、事件後の対応もお粗末すぎる。森容疑者が逮捕され、別の先輩講師についても疑惑があることを(集英社オンラインの記者に)教えていただいたので、すぐに伝えたのですが『きちんと調べているので大丈夫です』という反応でした。他人事のように感じましたし、本当に塾としての責任を感じているのか不安になりました」