〈四谷大塚盗撮に“共犯”講師がいた!〉元講師の同僚(26)も撮影処罰法違反で逮捕「生徒の胸を撮ろうとしてガードされた」地元では「真面目、おとなしく空気みたいな存在」
中学受験進学塾「四谷大塚」(本部・東京都中野区)の現役講師が教え子の女児の下着を盗撮するなどして逮捕された一連の事件に絡み、この講師の元同僚が現職時代に犯行に加わっていた疑いが強まったとして警視庁は9月30日、撮影処罰法違反(撮影罪)の疑いで逮捕した。集英社オンラインの調査報道がきっかけで、教育者の立場を悪用した卑劣な性犯罪者がまたひとり逮捕された。深まる闇に関係者はさらなる対応を迫られそうだ。
四谷大塚は当初「他に共犯はいない」と話していたが…
逮捕されたのは四谷大塚の都内西部にある教室で8月下旬まで勤務していた中村成美容疑者(26)。調べによると7歳の女児生徒のスカートの中にスマホを差し入れ、下着を盗撮した疑いがもたれている。
同塾は、集英社オンラインの取材で女児生徒に対する盗撮などの行為が明らかになった森崇翔講師(24)を8月10日に懲戒解雇。警視庁も同19日に森容疑者を女児を盗撮した疑いなどで逮捕、9月9日に同じ女児に対する強制わいせつなどの容疑で再逮捕したが、関連捜査を進めるうちに森容疑者と同じ校舎に勤務していた先輩の中村容疑者の関与が浮上した。二人は共謀し複数の女児を盗撮していた疑いもある。

撮影処罰法違反(撮影罪)の疑いで逮捕された中村成美容疑者(26) 撮影/村上庄吾

塾から帰路につく中村容疑者(撮影/集英社オンライン)
森容疑者は複数のSNSで「キッド」と名乗り、小児性愛者のグループを主宰。塾講師の立場を悪用して自ら撮影した女児の盗撮動画や、個人情報を投稿して「生の○○ちゃんに会えるかもです」とメンバーにわいせつ行為を煽っていた。
このグループチャットの中で森容疑者は「すごいことが発覚しました。先輩講師がロリコン気質を持っており、○○姉妹を狙っていたんです。昨晩、泊まりにいった際に、お互いに暴露しました」と“同好の士”である先輩の存在を報告。さらに「証拠」として、この「先輩」が○○姉妹の盗撮に失敗した様子を自分に伝えてきたLINEのやり取りをアップしていた。(♯8参照)

取材班は森容疑者の逮捕前に、四谷大塚に対して森容疑者の悪行の数々とともに同僚に共犯者がいる可能性を伝えていたが、同塾は間髪を入れずに「他に共犯がいるようなことはありませんから」「話をあわせていただけでしょう」と否定していた。しかし、中村容疑者は捜査の手が自分に迫ってきていたのを察知したのか、森容疑者が逮捕されて間もなく同塾から姿を消していた。塾から事情説明を受けたという保護者の一人はこう怒りをにじませた。

森容疑者(撮影/集英社オンライン)
「森が警察署に連行された後に中村もパソコンなどを任意提出し、『森がここまでひどいことをしていたのを知らなかった』『仲のいい後輩だったこともあり悪ふざけでLINEのようなことを言ってしまったが、盗撮をしたりそういうグループが存在していることは知らなかった』と釈明していたそうです。四谷大塚は中村に非はないような言い方をしていましたが、中村は自分の存在を集英社オンラインが記事にした8月22日に四谷大塚を自主退職したのです」
中央大に通っていた中村容疑者「勉強ができておとなしい人」
同塾では森容疑者とは別クラスの担当だった中村容疑者は、同塾の退職を契機に世田谷区のマンションを退去し、実家に戻っていたようだ。都内西部にある実家周辺を歩いてみた。
「お父さんは行政書士をされています。お母さんは何をされているのかわかりませんが、2人ともとてもいい方たちですよ。中村くんはひとりっ子で少なくとも小学校のころからここに住んでいて、普通の子というか、どちらかというとおとなしくて、悪いことをするようなタイプの子には見えませんでしたね。小、中学校は地元の公立校に通い、私立高校を経て中央大学に進学したと聞いています。何年か前に中村さんの家に回覧板を持って行ったときにお父さんが『息子は就職して埼玉県の方に行ったんですよ』と言っていたので、実家には住んでいなかったと思いますよ」(近くに住む女性)
「最後に見かけたのはもう3ヶ月前くらいかしらね。家の前に立っていて、ラフな私服だったわね。大人になってからはまったくわからないけど、小学校のころからおとなしくて、暗いというか内向的な感じに見えたわね。お父さんは中村くんが小学生のころはPTA会長もやってましたよ。ほんとに普通の家庭っていうイメージね」(別の女性)

中村容疑者の実家(撮影/集英社オンライン)
中村容疑者の小学校の同級生の母親も、突出した印象はなかったと話す。
「小学校のころは登校するのを見かけたりもしたけど、どちらかというとおとなしそうな子でしたね。ただ、何か悪いことをするような感じには見えなかった。彼についてはそれくらいしか知りませんけど、ちょうど一週間前に警察から『ここを通る人を撮影したいからカメラを置かせてほしい。おそらくこの道をよく使っているんで』と頼まれました」
小中学校時代の同級生の男性も、「いたって普通だった」という中村容疑者の印象をこう語った。
「中村くんは勉強はよくできましたけど、運動はあまり得意ではなかったですね。学校でもおとなしい人たちと仲が良くて、本人もほどよく静かなほうだったと思います。表立って何かをしたり、みんなを引っ張ることもなかったから目立つタイプでもないしモテたりしたこともなかったですね、彼女もいたことなかったと思います。『陰キャ』といえばそうかもしれないけど、イジメられたりいじられたりすることもなかったし、変に浮いてるわけでもなかったです。たまに彼に勉強を頼る人もいましたけど、空気のようなイメージの子でしたね」
「両親と一緒にお墓参りに来ていてお墓の掃除も率先してやってましたよ」
また、中村容疑者は自分の意見をハッキリ打ち出すことはなく、周囲に流されやすいタイプにも見えたという。同級生が続ける。
「高校は私立に通っていました。中村くんは頭はよかったけど、会話でも他人の話題に合わせるようなタイプでしたね。高校生以降は音信不通でしたが、前に地元の友人から『塾で先生をしてるらしいよ』と聞いて、『みんなに勉強を教えたりもしていたし、合ってるよな』なんて話をしました。自ら進んで悪事に手を染めるタイプには思えないんで、誰かにそそのかされて手伝ってしまったのかなと考えてしまいます」

森容疑者が小児性愛者仲間にSNSで送ったアンケート
近くに住む50代の男性から見ても、一人っ子として両親の愛を受けて真っ直ぐに育ったという印象しかなかった。
「以前は親子3人で仲良さそうに話しながら出かけるのをよく見かけましたよ。本人も見るからに大人しくて真面目そうな青年って印象で、服装も地味だしあんまり今どきの子みたいに遊び歩いてる感じではなかったですね。最後に見たのは彼がまだ大学生のころだったと思うけど、両親と一緒にお墓参りに来ていて、お墓の掃除も率先してやってましたよ。最近の子にしてはとてもえらい子だなあなんて感心してたんだけどね」
空気のように地味に真面目に生きてきた青年は、何を思って教え子の女児を盗撮に関わったのか。
※「集英社オンライン」では、今回の事件をはじめ学校や塾にまつわる事件、トラブルを取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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