北村 『すずめの戸締まり』は、序盤でダイジンという猫が草太を椅子に変えてしまうじゃないですか。それで草太がダイジンを追いかけるシーンでめちゃくちゃアップテンポなジャズが流れますよね。あれを聴いて「新海誠はこれまでとちがうことやろうとしてるんだ」と思いました。
これまでの新海誠って、いわゆるMV的な演出というか、音に映像を心地よくハメていく快楽が物語を引っ張っていたと思うんですよね。
だけど、今回は序盤にあのジャズが入ったことで、それが崩されるんですよ。個人的には50年代の日活映画を見たときの感じを思い出して(笑)。とにかく今までとちがうことをやるんだっていうメッセージを受け取りました。
北村 最後に流れるRADWIMPSの曲とかも、どちらかというとBGM的な使われ方をしていて、後ろから包み込むような感じなんですよ。それは今までの新海作品にはなかった特徴ですよね。
土居 そうそう。しかも、音楽と描かれるシーンがバチッとハマってるってわけではないんですよね。ジャズが流れるシーンとかもちょっと違和感ありますし。いい意味で洗練されていない使い方というか。ユルさやユーモア感なども包括する感じ。
慣れ親しんだ音楽も今までとちがって聴こえてくるし、映像体験にある種の生々しさを与えていると思います。
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ポスト・ジブリとしての新海誠
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