挿入されて一線を越える瞬間に、すべてが詰まっている
寝取られのビデオの構成はある程度パターンが決まっている。
最初に女性と待ち合わせて、その場で夫から「寝取られ」の依頼があったことを伝える。最初は嫌がるが、夫が妻を愛するゆえに頼むのだと知り、長い葛藤の末、しぶしぶ受け入れる。
見ているほうは妻の逡巡と、長い説得の時間を楽しむ。最初のカラミまで1時間近くかかることもあるが、寝取られ好きにとってそれらのシーンは欠かせないエッセンスらしい。逡巡と説得が長ければ長いほど、そして女性の貞操観念が高ければ高いほど喜ばれるという。
「挿入されて一線を越える瞬間ですね。そこにすべてが詰まっているといってもいい」
ほとんどの女性がこの性癖を理解できず、本能的に嫌悪感を示すらしい。だが、男性からすれば理にかなっていると唐木は言う。
「成人男性の多くは本能と理性のはざまで生きています。一夫一妻制度に縛られ、本当だったらほかの女性に目が向くけど、その気持ちを押し殺しているかもしれない。そして、不倫はリスクが大きい」
テレビドラマでいくら美しく描かれても、不倫が社会悪であることは変わらず、社会的地位も失いかねない。だが、パートナーの合意がある寝取られであれば、パートナー以外との性行為を楽しめる利点がある、と唐木は力説する。もちろん性病や妊娠などのリスクは排除した上での話だ。
「先日最終回を迎えましたが、連続ドラマ『夫婦円満レシピ~交換しない?一晩だけ正式名称~』(テレビ東京系)が地上波で放送されました。これまでタブーだったけど、夫婦関係のSDGsはそれくらい世間の関心を集めているんです」