クルマ、ケータイ…に続く“CM花形産業”が上位入り
3位は2021年から綾瀬はるかを起用したシリーズを展開している「UNIQLO」。2022年は、楽曲提供を行ってきた桑田佳祐や原由子、また、松下洸平らが登場して綾瀬と共演。初の年間トップ3入りを果たした。
「当社の調査開始から33年間で、CM好感度を獲得する“花形産業”は大きく変化しました。1980〜1990年代は自動車産業が花形でしたが、近年のトップ10入りは2020年の日産自動車が最後(木村拓哉の『やっちゃえNISSAN』)。2022年は、ロシアのウクライナ侵攻や半導体不足などの影響が大きく、厳しい状況が続きました。
2000年代に入って花形になった産業は、携帯キャリアです。2006年にNTT DOCOMO、2007〜2014年までソフトバンクが8連覇し、続く8年はau。この17年間は携帯キャリアの時代だったと言えます。
そして近年上位に上がりつつあるのが、衣食住に密着した、数百円から数千円程度のリーズナブルな商材のCMです。UNIQLOは、まさにその代表例。特に2021年、『LifeとWear』をキーワードに、人に焦点を当ててからは、成人層を中心に得票数が増加。『音楽・サウンドにひかれた』『商品にひかれた』などのCM好感要因でも総合1位となっています」
4位は、まさに「数百円」で生活に潤いを与えてくれるビールのCM。新垣結衣の「おつかれ生です。」と、竹内まりやの『元気を出して』がコロナ禍の人々を癒した「アサヒ生ビール」だ。アサヒビールは「スーパードライ」も10位にランクイン。イチロー、HIKAKINら、こちらも“人”に焦点を当てたCMで高い好感度を得た。
5位には満島ひかりが“UQUEEN”にふんし、松田龍平が執事を演じて絶妙な掛け合いを見せるKDDIの「UQ」。
6位には「今夜、私が頂くのは…」でおなじみの「Uber Eats」が入った。さらに9位に「出前館」がランクイン。いまや生活に欠かせないフードデリバリーのCMが視聴者を引きつけた。
7位は、バカボンを芦田愛菜、バカボンのパパを出川哲朗が演じる「ワイモバイル」。特に8月、「バカボンのママ」として小池栄子が登場してから「好感度がグッと盛り上がった」という。
8位のサントリー「BOSS」は、7年ぶりのトップ10入りを果たした。今年は、人気の「宇宙人ジョーンズ」に、中島みゆきが“宇宙大統領”として登場。働くことが禁止された世界を描いて好評を得た。
また、役所広司、神木隆之介、杉咲花が“ニューニュー語”で会話をする「クラフトボス ミルキーエスプレッソ」や、岩井勇気と伊藤沙莉が“夫婦”を演じる「ボス カフェベース」なども好感度を引き上げた。