遊び道具が20キロのダンベル

竹中さんがアームレスリングを始めたのは10歳のとき。その戦歴はすさまじく、わずか11歳で出場した愛知県大会での3位入賞を皮切りに、10代で女子部の全日本チャンピオンになり、世界ジュニアも2連覇達成。そして、今年9月に開催された全日本大会では、なんと男子の部に出場。猛者達をなぎ倒し、日本一に輝く快挙を成し遂げたのだ。

小柄な体格から繰り出される驚異の腕力はどこから生まれるのか。シンプルだが奥深いアームレスリングの魅力と共に掘り下げてみた。


––––アームレスリングを始めたきっかけは?

お父さんがアームレリングの選手だったので子供の頃から試合を見ていたんです。家でも両手を使ってお父さんの練習相手をしたりしていました。全然相手にならなかったけど(笑)。

元々すごく負けず嫌いだったので、結局アームレスリングに入り込んでしまって、やるなら絶対勝ちたいなと。最初から「世界チャンピオンを目指す」って決めて本格的に練習を始めたんです。

「握りには絶対的な自信があります」男子の部に出場し全日本チャンピオンに。相手を0.1秒でなぎ倒すアーム界最強女子・竹中絢音の強さとは_1
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––––10歳の女の子なら、いろんなことに興味を持つと思いますけど、なぜアームレスリングだったんでしょう?

一応、空手も少しかじったんですけど、アームみたいに入り込めなくて3ヶ月でやめちゃったんです。アームはまず勝ち負けが一瞬で決まるっていうわかりやすさが大前提としてあって。その中でどう勝つか、テクニックを磨いていくってところが自分の性格に合っていたんだと思います。

––––トレーニングはどのように?

自宅の和室にお父さんのトレーニング器具が置いてあったので、最初はそれを使って自主トレ。親がテレビを見ている横で黙々と20キロのダンベルを上げるっていう、そんな構図になっていました(笑)。あとは家のリビングが道場みたいになっていて父のアーム仲間が来ていたので、そこで実践練習にも参加していました。