文集に記された板倉少年の“喜びの声”
夏合宿が終わったあと、クラブが記念に発行する文集に板倉はこうつづっている。
「ぼくのゴールを見てくれていた6年生の人たちから、『まだ小2なのに、2ゴールを決めるなんてすごいな!』とほめてもらえて、とてもうれしかったです! これからもたくさん練習して、もっと点をとれるようになりたいです」
この板倉の感想は、夏合宿の「縦割り試合」を企画したクラブの狙い通りのものだった。
「縦割り試合」を行う理由のひとつは上下の学年との交流を生むという教育的な側面もあるが、競技面での狙いとしては、さまざまな刺激を受けさせて選手の心を刺激するところにある。上級生とともにプレーし、年齢差によって生まれる壁に直面することで悔しさを覚え、それを日々の練習のモチベーションにしてもらうこともそうだ。
逆に、「上級生に混ざってゴールなどの結果を残したり、活躍を認めてもらったりすることで、サッカーをするやりがいや楽しさを覚えて成長の原動力にしてもらいたい」と澤田代表たちは考えている。
だから、さぎぬまSCが大事にしているこのような取り組みについて、今では日本代表だけではなく、ドイツのブンデスリーガを代表するDFになった板倉がお墨付きを与えてくれたことには大きな意味がある。