最大のライバル・Apple Watchとの違い

現在Apple Watchを使っていて、これからPixel Watchを買い足したり、乗り換えを考えている方に、筆者が感じた決定的な「Apple Watchとの違い」を2点お伝えしたいと思います。

まずワークアウト記録については、Pixel WatchとApple Watchで使い勝手が大きく異なります。
Apple Watchの場合、ユーザーがウォーキングやランニングなど一部ワークアウトを開始・終了するとウォッチが通知してくれます。
一方、Pixel Watchには通知の機能がなく、一部ワークアウトをユーザーが開始・終了すると「Fitbit」アプリに自動で成果を記録します。記録の精度は高いので、ワークアウトの成果が無駄になることは少ないのですが、長くApple Watchを使っている筆者はこの“全自動”な感覚になかなか慣れることができません。

Google初のスマートウォッチ「Pixel Watch」レビュー。1ヶ月使ってわかった「いいところ」と「残念なところ」とApple Watchとの決定的な違い_06
ワークアウトの成果は「Fitbit」アプリに記録され、詳細を確認できる

もう1つはバッテリー性能です。
GoogleはPixel Watchのバッテリー性能に関して「1回の充電で最大24時間」と公表していますが、筆者の感触では、普通の使い方でも22時間あたりで限界が来るように思います。睡眠管理のために夜眠る前に充電して装着した場合、翌朝には15%前後バッテリーが減っていて、夕食を済ませた後には残量があとわずかになる速度感です。

より長く使うためには、Pixel Watchの機能である「バッテリーセーバー」をオンにして、ディスプレイによる消費電力を節約しなければなりません。
一方、最新モデルであるApple Watch Series 8では、さまざまな機能を使える状態に保ちながらバッテリーを延命させる「低電力モード」を搭載しています。その点を考慮すると、バッテリー性能に関しては、Apple Watchのほうが優れていると筆者は感じました。

Google初のスマートウォッチ「Pixel Watch」レビュー。1ヶ月使ってわかった「いいところ」と「残念なところ」とApple Watchとの決定的な違い_07
「バッテリーセーバー」をオンにすると、内蔵バッテリーの消費を抑えられる

Wear OSは、スマートウォッチを手がけるGoogle以外のメーカーにも開放されているため、各社から個性的なスマートウォッチが生まれやすい状況にあります。

Googleのコンセプトに共感するところは多々ありますし、実際にWear OSを搭載するスマートウォッチは多様性に富んでいて魅力的です。
ただ、その反面、同じWear OS搭載のスマートウォッチでも仕様や使い方が異なる場合が多々あります。世代を超えて基本的な使い方を統一しているApple Watchの場合、ユーザーが互いに便利な使い方やアプリを共有できることが大きな強みであると言えます。

とはいえ、Androidスマホのユーザーにとって、Pixel Watchは最新のWear OSによるヘルスケア/フィットネスの体験を満喫できるとても魅力的なデバイスだと思います。
特に、まだスマートウォッチの恩恵を味わったことがない人には、入門機としてぜひおすすめしたいです。


文・写真/山本敦