「シンプルに怠惰なんです」
アクティブだけど出不精な一面も
――休日も趣味に時間を費やしているとのことですが、ボーっと過ごしてしまうことはないのでしょうか?
ありますよ。
「これと、あれとあれをする予定だったのに、まじで寝てた!」みたいなことも全然あります(笑)。
でも、そういう日は大抵「天気悪かったし、今日は休むべき日だったな」と思うようにしていますね。
――休日をムダにしてしまったとは思わないんですね。
そうですね。もともとたいそうな人間ではないので、自分に期待をしていないというか(笑)。
それか、なにもできなかったことを落ち込んじゃう時は、犬のお散歩に出かけて健康的な生活をしたような気分を味わったり、本を数ページだけ読んだり、わりと凝った料理を作ったりして、駆け込みで何か“やったこと”を作ります。
――なるほど!
でも、てんちゃん(愛犬のてんぷら)におなかの上に座られたら、溶けちゃって起き上がれなくなるので、そんな休日もいいかなと思ってますね。
もともとアクティブで、友達と会うのが好きなタイプですし、休日もなにかをしようと思いがちなのですが、てんちゃんと休日を過ごすようになってからは「こういう時間もすごく大切な息抜きの時間なんだな」と思えるようになりました。
――一方でエッセイの中には、外出が億劫でギリギリまで出発できない出不精な宇垣さんも登場しますね。
行っちゃえば絶対楽しいってわかっているのに、出るまでが本当に億劫で、なぜなんでしょうね。
すごく前から予定していた友達との旅行だとしてもダメ。今日も家を出る直前まで、本当に外出したくなかったです。
――そんな中、出てきてくれてありがとうございます。
いえいえ! 外でマネージャーさんが待っていたので、出発の10分前に起きて、5分で準備しました(笑)。
今日も出てしまえば楽しいので、きっと準備が苦手なんだと思います。
あとはシンプルに怠惰なのかと。
――(笑)。今回の本には、出不精な一面のほかにも寝室に積み上げられた本の山が崩れ、その本につまずいてしまったなど意外な一面がたくさん登場しますね。
それらのエピソードを読んで「私だけじゃないのか!」と元気付けられました。
「私だけじゃなくて、よかったと思えた」というのは友人にも言われました(笑)。でも、そう思っていただけて嬉しいです。
昔から上手くいかない日には、誰かのダメダメな話を読んで、勇気づけられてきたんですよ。岸本佐知子さんの〆切前のエピソードや、朝井リョウさんの痔について書いている「何を読まされているんだ」と思っちゃうくらい、くだらないけどケラケラ笑える文章が好きで。
だから、いつか誰かにそういう風に思ってもらえる本を自分も書きたいなと思っていました。この本を読んだ人が「こんな人もいるのか」と元気になってくれたらうれしいです。
取材・文/於ありさ 撮影/石田荘一 ヘア&メイク/岡田知子(TRON) スタイリスト/小川未久
衣装 ベスト・ワンピース/COS (COS 銀座店) イヤリング・シルバーリング・ゴールドリング/アグ ピンキーリング/リキッド COS 銀座店(03-3538-3360) アグ(https://agu-acce.com) リキッド(http://liquid-jewelry.com/)