正直勘弁してほしかったすっぴんカット秘話
――たしかにテレビではあまり見られないカットですね。
そういう意味では、すっぴんのカットもあるんですよ。朝日のシーンを撮るのに朝4時に出発して撮影に行ったんです。ロケバスで寝ながら現場に到着したら、朝日が出る瞬間で。その日は雨予報だったので、朝日を期待していなかったのが、奇跡的に撮影ができるタイミングがあって…。いきなりロケバスのドアが開いたと思ったらスタッフの方が「今すぐ撮ります!」って。
――そんな急なことあります?
私もびっくりでした! メイクどころか髪の毛もボサボサのままなんですから。正直、勘弁して下さいって気持ちだったのですが、カメラさんが「いけます、いい画が撮れます」っておっしゃったので、私も信じて「今この瞬間を活かすべく撮ってもらえればいいです」と。2枚も使われていたのは驚きましたけど、載っているカットを見てカメラさんを信じてよかったなと思いました。
――お気に入りカットを選ぶとしたらそのすっぴんですか?
なかなか本気で笑っている自分の顔を見る機会ってないんです。カタカタした不自然な笑顔になってしまうことがあって、今まであまり自分の笑顔が好きではなくて。でも今回のフォトブックでは撮影を意識せず、その空間が楽しくて本気で笑っている写真が何枚もあって、それらがお気に入りです。「私ってこんな風に笑えるんだ」と気付かせてもらって本当にうれしかったんです。
――かなり自然な笑顔の写真は多いですよね。
そうなんです! たくさんお気に入りがあってすみません(笑)。あ、中でも部屋でお酒を飲んで笑っている横顔があるのですが、それはいつも連載を担当している方が目の前にいて、本当に話しながら普通に笑っているんです。これ以上ないくらい素の笑顔ですよね。
――フォトブックには『みんなのKEIBA』の共演者たちからのコメントもあり、楽しそうな現場の温度感も伝わってきました。
本当ですか! ありがとうございます。共演者の方々もスタッフの方々も温かくて、いつも楽しく仕事させていただけているなと感じています。
――佐野瑞樹アナウンサーからは、おとなしく見えるから素の部分を出したほうがいいと、愛のあるアドバイスまでありましたね。
オフの無防備な私を知っている人からは「鎧を脱いだ方がいい」とよく言われるんです。鎧を着ているつもりはないんですけど、カメラの前に立つとどうしてもアナウンサーらしくいなきゃというスイッチが入ってしまって……。どうやって自分らしさを挟んでいくかは永遠の課題だと思っています。
――とはいえ、番組では解説の細江純子さんにツッコミを入れたり、盛り上げていることも少なくないですよね。
その場の流れを楽しんでやっていく方が向いていると思って、ついツッコんだりしてます(笑)。以前は経験が浅い分、コメントするか迷っているうちに次の話題に移ってしまうこともあって。昔に比べると減ってきたとは思いますが、まだまだそういう場面もあるので、もっとうまくこなせるようになった時に鎧がひとつ脱げるかなと思います。