「今の酸っぱさでは物足りない」という声も
シゲキックスの開発でUHA味覚糖が大事にしているのが「酸っぱいだけでは終わらない」ということだ。口に入れた時の酸味から噛み続けた時の甘さという味のローテーションが、誕生から30年間支持されている理由のひとつだ。しかし、シゲキックスが愛されるようになるまでにさまざまな失敗があったという。
「過去には酸っぱさのみを強調しすぎた商品を出したり、キャラクターを押しすぎて駄菓子っぽくなってしまったりして、なかなか世間に定着しませんでした。近年はこれらの問題点を改善し、頑張って営業などの企業努力をしたおかげで、コンビニで取り扱ってもらえるようになりました」
現在は多くの会社が酸っぱいグミを販売するようになったが、発売当時の1992年頃からシゲキックスに慣れ親しんだ酸っぱいもの好きの大人にとっては、子供時代の思い出の味になっている。だが、最近では消費者から「刺激が物足りない」という声も上がっているそうだ。
「味は発売当初から一切変えていないのですが、他社からも類似の商品が発売されて酸っぱい商品に慣れてしまったり、発売当時は子供だったユーザーが大人になって酸っぱさへの耐性がついたこともあって『もっと酸っぱくしてほしい!』という声が増えました。そこで、これでもかというくらい酸味を強調した商品を発売したりもしました」
強烈な酸っぱさを求める人たちの期待に応えるべく、開発陣は日々酸っぱさと戦っている。担当者は「試作品を食べすぎて他の味が分からなくなったり、酸味が苦手な担当者が試食で冷や汗をかき続けたりと、開発には毎回苦労しています(笑)」とシゲキックスの開発の苦労を語る。