「コリン選手のスイングをマネしたいのですが……」

コリンのスイングに憧れる青年からはこんな質問が出た。

「コリン選手のゆっくりとしたテイクバックをマネしたら、背中を肉離れしました……。あのスイングは誰にでもマネできるものなのでしょうか?」

「(ケガをして)気の毒でしたね。僕はクラブを理想のポイントへ振り下ろせるように、自分の中でのリズムを大事にしています。その結果として、ゆっくりとテイクバックをしているように見えているんです。あなたが体を傷めたのはおそらくクラブを上げた後に、すごく強く振り下ろそうという意識が強いからだと思います。僕の目的は、強く振り下ろすことではなくて、リズムを取りながらポイントを確認することなんです」
というコリンの温かなアドバイスにイベント会場はますます和やかムードに。

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雨の中、ていねいなアドバイスをしてくれた両選手
雨の中、ていねいなアドバイスをしてくれた両選手

イベントでは、アプローチ対決や「スティンガーショット」の披露もあった。
スティンガーとは、タイガー・ウッズが得意とすることで知られる地をはうような低弾道ショット。約20ヤード先に張られた高さ約2メートルのテープの下に球を鋭く通すふたりの技に、大きな拍手と歓声が上がった。

見事なアプローチやスティンガーショットを披露
見事なアプローチやスティンガーショットを披露

スティンガーは多くのアマチュアが憧れるショットだが、どんなコツがあるのだろうか。
司会者の質問に、コリンは
「フォロースルーまで(体を)寝かせることを意識しています。インパクトの後は体が浮き上がってしまいがちですが、なるべく低く抑え続けて上から叩き込むんです」
と説明。
中島は
「低く長くヘッドを走らせて、フィニッシュも低い位置で終われるようにイメージしてます」
と話した。

本日の第3ラウンドを終えて、中島はトータル8アンダーで14位タイ、日本勢の中ではトータル9アンダーの久常涼に続く2位につける好位置に。
イベントでは、コリンが中島に「自分のルーティンを早く見つけて、それをどんな試合でもやり続けるのが大事」と伝えていた。来場者だけではなく、中島にとっても米ツアー通算5勝を挙げている“先輩”の助言が効いているのかもしれない。
明日の最終日が楽しみだ。

取材・文・撮影/一ノ瀬 伸