座王は賞レースではなく、あくまでバラエティ番組
芸人と芸人がぶつかり合う真剣勝負の場と言えど、千原はMCとして、初参戦組や若手のフォローを忘れず、敗退メンバーにもしっかりとチャンスを与える。こうした千原の中にあるのは、あくまで『座王』は即興ネタバトルという競技でありながら、優勝だけを純粋に競い合うものではなく、視聴者に30分間、笑いを届けるTVショーとしての側面を強く意識しているからと言えるだろう。
かつて『座王』では、決勝戦があまりにグダグダになったため、勝者なしとして準決勝に進出していたセルライトスパ・大須賀が繰り上がりで座王になったケース(#22)もある。
「最近では一番印象深い回でしたね」と千原が語るのは、Yes!アキトとどんぐりたけしのギャグ対決が異様に盛り上がり、ドローが連発されたため、座王1回分が2週にまたがって放送されることになった回(#222、223)。
そうしたハプニングに対し、ルールやシステムに縛られず臨機応変に対応し、より大きな笑いに繋げようとするのが座王という番組の醍醐味でもある。
「そういうことを考えると……結局ね、『座王』って純粋な競技じゃないんです。あくまでバラエティ番組なんですよ」
東の『笑点』、西の『座王』になることができれば
2022年1月2日、ダウンタウン・松本人志を審査委員長に迎えて放送された『座王 新春SP』が、ギャラクシー賞・TV部門と、放送文化基金賞・番組部門奨励賞をW受賞。また、放送文化基金賞の企画賞に、千原ジュニア本人も選ばれている。“純粋に笑える娯楽番組として高く評価する”という選評は、まさに千原ジュニアが番組を立ち上げたときに抱いていた「ただお笑いだけの番組を」という志が視聴者や各方面に伝わった結果である。
これだけ変化の早い世の中にあって、固定フォーマットでの笑いを追求している『座王』の、今後の展望と、千原ジュニア本人のささやかな希望を聞いた。
「出たいという人がいるなら、芸人じゃなくてもいいですけどね。これは希望ですけど、『IPPONグランプリ』に出ているような全国区の芸人が参加してくれればまた面白くなるやろうし、広がると思いますよ。将来的には、東京に『笑点』があるように、関西に『座王』がある、みたいなポジションになれば。
あとはまぁ……ホンマは絶対イヤですよ? でも毎回、司会しながらちょこっとだけ思うんですよ。出場してみたいなぁって(笑)」
インタビュー前編「お笑い番組の減少には危機感しかない」-関西ローカル『座生』に託した千原ジュニアの思いはこちらから
取材・文/森樹 撮影/松木宏祐
「千原ジュニアの座王」
カンテレ 毎週金曜 深夜0:55~1:25
※カンテレドーガ、TVer、GYAO!で見逃し配信
※Amazon Prime内「大阪チャンネルセレクト」で全話配信中
座王 全国ネットSP 放送決定!
10月18日(火)21時~22時48分放送
笑いの総合格闘技!千原ジュニアの座王 2時間SP
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