面倒なら、やめてもいい

「そんなにやりたくなかったら、やめていいのですよ?」
最近話題の「PTA代行サービス」については、まずこう言いたい。

「やめる」のには、いくつか方法がある。「代行サービスに出そうとしている活動をやめる」でもいいし、「あなたがPTAをやめる」でもいい。なんなら「PTAごとやめる(廃止する)」という選択肢だってなくはない。要は「代行サービスに出してまで継続する必要があるのか?」を考えてほしいということだ。

「PTA代行サービス」は、広報紙やWebサイトの作成、行事の運営作業などの活動を、業者がビジネスとして代替するものだ。数年前からちらほら聞くようになり、PTAの取材を続けてきた筆者のもとにも、「PTAをラクにする事業を考えているので、話を聞かせてほしい」といった業者からの相談が、ときどき寄せられる。

PTA向けの事業を全否定する気はない。たとえばIT系のサービスなど、人力で行うより明らかに手間暇が減り、クオリティが上がるものについては、どんどん広がったらいいと思う。無料で優れたサービスも今はいろいろある。

でも「PTA代行サービス」はそういうものではない。これまで会員が担ってきた手間暇を、雇われたほかの誰かが代行するのが基本であり、利用に賛同するのは「負担が大きいから」「自分がやりたくないから」という人が大半だ。

「時間や労力を奪われ、めんどうな人間関係に巻き込まれるよりは、代わりにお金を払ってほかの人にやってもらうほうがマシだ」という、その気持ちはわかる。わかるのだが、だったら代行サービスを頼む前に「PTAをやめたら?」と思う。

そもそもPTAは本来、任意加入の組織であり、入退会は自由だからだ。