自分が自分でいられる友達の存在

「孤独を感じたことはない」ぼっちを演じた橋本環奈に友達が多い理由_5

――橋本さんご自身の青春の思い出は?

高校時代は文化祭とか修学旅行とか、行事にはほとんど参加ができなかったのですが、毎日とにかく楽しかったです。みんなで学校帰りにラーメン屋さんに寄ったり、プリクラを撮ったり、そういう日常がすっごく思い出に残っています。

福岡の高校に通っていたので、東京と福岡を1日おきに移動していた時期もあって。「今、どっちにいて何をしているんだろう?」みたいなときもありましたけど、学校に行くと友達がお弁当を作ってきてくれたりもしました。

日本アカデミー賞の新人賞をいただいたときは、誕生日のお祝いと共に黒板にみんなが手書きのメッセージを書いてくれていて。卒業式にも参加できませんでしたが、別日に友達がわざわざ学校に来てくれて、学校帰りにみんなでご飯を食べに行きました。本当にいい同級生に恵まれたなと思いますね。

「孤独を感じたことはない」ぼっちを演じた橋本環奈に友達が多い理由_6

――明日香はとても孤独を感じている少女ですが、橋本さんが孤独を感じることは?

マジでないですね(笑)。この業界には、人見知りや友達が少ない人も多いんです。けど、私はもう、自信を持って「友達が多いです」と言えます。ひとりでいるのも好きではあるけど、あまり時間として長くないというか。すごく寂しがり屋なので、基本的にはやっぱり、友達といたいタイプです。

――映画では、明日香が敵に絶対に渡したくないものを宣言するシーンが。橋本さんは、絶対に誰かに渡したくないものはありますか?

渡したくないというよりも、無くしたくないと思うのはやっぱり友達。ひとりで立つことはできないので、支えてくれる周りの人の存在は、かけがえがありません。

このお仕事をしていると、結局、消費されているなと感じることも多くて。そこまで深く悩んでいるわけではないし、不満を持っているわけでもないんですけどね。でも、“好き”だけでは続けられない瞬間があるし、いろんな人の目にさらされたり、SNSなどでいろんな意見をもらうこともあって。

そういうお仕事をしているからこそ、自分が自分でいられる場所ってすごく重要だと思うんです。芸能のお仕事をしている友達も、全く別のお仕事をしている友達もいますが、その人たちの前では、普通に暮らしているひとりの人間でいることができる。私に何があっても絶対に近くにいてくれるし、信じてくれる安心感があります。

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――絶対に信じてくれる人を作るには、何が必要?

相手を信じること。もしかしたら裏切られちゃうこともあるかもしれないけれど、自分が信用していたということが何よりも大事だと思うんです。それに、人のことを疑っていたら、裏切られても仕方がないですしね。自分が100%身を委ねられるくらい信じている人が何人かいるので、その存在がいるだけで、とても心強いです。