生演奏のようなリスニング体験を味わえる
最新のAirPods Proは、音質にも磨きがかかりました。AirPodsシリーズは、元からどんなジャンルの音楽にも素直にマッチするバランスの良いサウンドを特徴としています。第2世代のAirPods Proはその良好なバランスはそのままに、音の情報量が一段と豊かになりました。
音の進化を引き出した要因は、新規に開発されたカスタムメイドのドライバーとデジタルアンプです。初代のモデルと順番に聴き比べてみると、中低音域がリッチになって、全体に音のつながりがスムーズに感じられました。ボーカルはシルキーで生々しく、アップテンポなロックやジャズの躍動感はとてもエネルギッシュです。新AirPods Proのサウンドは、生の演奏を間近で楽しむような感覚に迫っています。
また、電車で移動しながらiPhoneで動画を視聴してみました。アクティブノイズキャンセリング機能をオンにすると、役者の囁くような台詞も明瞭に聴き取れます。賑やかなカフェの店内でも、隣で人が会話をしていてもコンテンツの音に深く集中できました。ビジネスパーソンの方々は、新しいAirPods Proがあれば移動中に最新のニュース動画やYouTubeをチェックする時間がより快適になります。
新しいAirPods Proは、満充電の状態からイヤフォン単体で連続使用ができる時間が長くなったこともトピックの1つ。音楽再生ならノイズキャンセリング機能がオンの状態でも最大6時間まで楽しめるので、出張の際にも心強く感じられます。
Appleには「空間オーディオ」と名付けられた、iPhoneとAirPodsシリーズとの組み合わせでも楽しめる立体音響技術があります。この機能は2019年秋のAirPods Proの発売後、iPhoneの基幹OSの無料アップデートにより追加され、今も無料で楽しむことができます。
新AirPods Proは価格が39,800円(税込)と、市場でも高価なワイヤレスイヤフォンの部類になりますが、おそらく今後もソフトウェアアップデートにより進化を続けて、ユーザーを長く満足させてくれるはずです。特にAppleデバイスを日々使っているのであれば、音質・操作性の面から見ても、約4万円の価値は十分にあると断言できます。
本体、ケースともにIPX4相当の防滴対応なので、汗をかくスポーツシーンでの使用も安心。特にiPhoneユーザーの方には、エンタメ用途でも仕事用途でも、最高の快適さが満喫できる随一のワイヤレスイヤフォンとして強くおすすめします。
文・写真/山本敦