浅倉唯インタビュー&撮り下ろし 仮面ライダーリバイスを終えて−― 感謝の1年間、思いの全て_3

とにかく全力を出し切る

――いろんなことを乗り越えて、すべて終わった瞬間は、何を思いましたか。

オーデションに受かったときのことを思い出していました。最初に飛び上がりたいような嬉しさが込み上げてきて、それから、大丈夫かな?私にできるかな?という不安が襲ってきて。でも、やっぱり嬉しくて、両親に「受かったよ!」と伝えて…そんなことをいっぺんに思い出してしまって、ぐっと込み上げてくるものがありました。

――振り返ると、あっという間の一年でしたか。

あっという間ではなかったけど(笑)、でもいろんなことがいっぱいギュッと詰まった、ものすごく濃い一年でした。

――すべてやり切った?

やり切りましたね。思い残すことはひとつもないです。出演させていただくのが決まった時、自分にできることは全て作品に捧げようと決めて、それを実践できました。だから全て終えた今は、全部の力が一気に抜けてしまって抜け殻のような状態です(苦笑)。

――もしも、一年前のまだ撮影に入る前の自分に声をかけるとしたら、どんな言葉をかけますか?

なんだろう?たくさんあるような気もするし、本当に大事なことはそれほど多くないような気もしますし…う〜ん。そうだ! ひとつだけ――
自信がなくても、緊張していてもいいからとにかく自分の全力を出し切って!と言ってあげたいです。

――全力でぶつかればなんとかなる?

なります。実際、私がそうでしたから。最初は…というか、“悪の女王”アギレラから夏木花として生まれ変わるくらいまで、ずっと緊張していて。芝居をするということを細かく考えすぎて、頭でっかちになっていましたが、それでも全力でぶつかることでなんとかしてきた…下手は下手なりになんとかなってきたので、怖がらずに、自分の力を全力で出し切って!と言いたいです。

――1年間、やり切ったことで、変わったことは?

1年前より、精神的にも体力的にも、ひとまわり強く大きくなれました。

――なっていたらいいなぁ、ではなくて?

はい。そこは、なっていたらいいなぁではなくて、ほんのちょっぴり…1ミリくらいかもしれないですけど(笑)、強くなっていると思います。

それは、監督さん、キャスト、スタッフのみなさんのおかげでもあるし、何よりも私が演じたアギレラのおかげです。

――それって、どういうことでしょう?

自分の居場所を失い、なんのために生きていけばいいのかわからなくなったアギレラが苦悩の末、夏木花になるんですが、そこに至るまでのアギレラの葛藤や、心の揺れを演じながら自分とシンクロするところがたくさんあって。
あえて、アギレラという名前を背負って仮面ライダーに変身する夏木花の覚悟もそうですし、自分に足りなかった部分…覚悟と心の強さを教えてもらいました。だから、すべて撮り終えた今、アギレラと夏木花には、有り難うという気持ちでいっぱいです。