『風と共に去りぬ』(1939)Gone with the Wind/上映時間:3時間42分/アメリカ

舞台は1861年、南北戦争直前のジョージア州タラ。情熱的な女性スカーレット(ヴィヴィアン・リー)は、思いを寄せる幼馴染のアシュレーが従姉のメラニーと婚約したことに苛立っていた。そんな彼女の前に、素行の悪さを噂されるレット・バトラー(クラーク・ゲーブル)が現れる。不遜な態度に激しい憎しみを覚えながらも、なぜか惹きつけられるスカーレット。やがて南北戦争が勃発し、スカーレットは時代の渦に飲み込まれながら、激動の人生を歩むことになる。マーガレット・ミッチェルの同名ベストセラーを映画化し、第12回アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演女優賞など10部門に輝いた名作。

ヴィヴィアン・リー
1913年11月5日生まれ、イギリス領インド・西ベンガル州ダージリン出身。1935年に映画の端役でデビュー。その後出演した舞台を見たローレンス・オリヴィエが演技を絶賛。1937年に映画『無敵艦隊』で初共演を果たし、私生活でも恋人同士に。1939年に『風と共に去りぬ』でスカーレット・オハラを演じ、アカデミー主演女優賞を受賞。『欲望という名の電車』(1951)でも同賞を受賞した。そのほかの主な出演作は『哀愁』(1940)『美女ありき』(1941)『愚か者の船』(1965)など。オリヴィエとは1940年に結婚したものの、ヴィヴィアン・リーが長く苦しんだ双極性障害の影響などにより1960年に離婚した。1967年、53歳で逝去。「イギリスの大俳優、ローレンス・オリヴィエとヴィヴィアン・リーは、私のような映画ファンからすると夢のような美男美女カップルでした」(戸田さん)

語り/戸田奈津子 イラスト/長場雄 文/松山梢