西暦2000年前後のファッションが再注目されている

若者のファッションは80's〜90'sの流行を経て、最近はY2K、つまり西暦2000年前後に流行った服や着こなしが注目されているという。
Y2Kファッションへの関心は女性からはじまり、徐々に男性にも広がってきていて、若者向けの古着屋では、その頃に流行ったブランドの服が人気を集めているのだそうだ。

一口に“Y2K”と言っても、当時も人々の好みは千差万別で、さまざまなテイストのファッションがあったのだが、ストリートファッション業界の一隅で仕事をしていた僕としては、あの頃が再注目されているということ自体に、軽い興奮のようなものを感じる。

Y2Kの頃、僕は宝島社が発行する隔週刊の男性向けファッション誌「smart」の編集部で忙しく働いていた。
ストリートファッション界は、裏原宿ブランド全盛期で、ウラハラの発達と歩みをともにしてきた雑誌「smart」も売れ行き絶好調。編集部は活気に満ちていた。

裏原宿を中心とするストリートファッション業界がどんな感じだったのかと思い返してみると、一言で言えば“終わらない文化祭”のような雰囲気だった。
僕と同年代の若いクリエイターたちが小さなブランドやショップを立ち上げ、仲間と助け合いながらムーブメントを起こしていたのだが、良くも悪くも試行錯誤の手作り感が強く、青臭い熱気が原宿の裏通りに漂っていた。

「終わらない文化祭のようだった」Y2Kブームが思い出せるsmartと裏原宿とNIGO氏_1
「smart」1999年11/29号。表紙はABATHING APEのNIGO氏