35度以上の日は「猛暑日」と呼ぶそうだ。
日射病ではなく、いまや熱中症だ。
いったいいつから日本の夏はこんなことになってしまったのだろう。

毎日のように発せられる熱中症アラートやお天気アプリの真っ赤な太陽マークを見ると思い出す経験が私にはある。
いや、思い出すなんて生易しいものではない。
3年前の熱中症経験は忘れようったって忘れられないものだ。

まさか熱中症による体調不良を1年以上もひきずり、その後も繰り返すことになろうとは。

知識も備えも万全だったはず

激しい暑さのもとで起きる、頭痛、めまい、吐き気、ふらつき、動悸…ひどくなると、倒れたり、寝込んだり、果ては死に至ることも…それこそが恐ろしい熱中症だ。

仕事柄、こうした情報はよく入ってくるし、十分気を付けていたつもりだった。けれど、3年前の2019年8月、私はおそらく熱中症でダウンしてしまった。
おそらく…とあえて記すのは、その経緯と経過がちょっと普通ではないからだ。

目から入る紫外線も結構な負担になるのでラウンド中はサングラスもマストだ
目から入る紫外線も結構な負担になるのでラウンド中はサングラスもマストだ


その日は休日で、私は千葉県のゴルフ場でプレーをしていた。
この日の最高気温は32度。終日ピーカンというわけではなく、ラウンド中の半分は曇っていて、途中スコールが降った。そんなお天気だった。
私のゴルフ歴はかれこれ15年以上で、真夏も真冬もラウンドする。
けれどここ数年の真夏の暑さは尋常ではないので、その準備には万全を期していたつもりだった。

つばのある帽子をかぶり、気化熱を利用する涼感ウェアを着用し、なるべく日傘をさす。
水筒にはスポーツドリンクを氷とともに入れ、ハーフで500mlは必ず飲むように。
それ以外にも休憩所では必ず水を飲み、プレーの合間合間には氷嚢で首元や脇を冷やし、塩飴、塩タブレットなども口にする……こうしたことを欠かしていなかった。
もちろんラウンド前日は早く寝ることを心掛けるし、深酒もしない。
そもそも飲み会やハードな残業のありそうな翌日にラウンド予定はいれないようにしている。
その日もこうしたコンディションでプレーを終え、千葉から車で帰宅。車中では友人と楽しく会話し、自宅についてもピンピンしていた。
渋滞回避のために、ゴルフ場では体を拭いただけで出て来たので(本当の猛暑なら気持ち悪くてとてもこの状態で帰宅はできない。だからやっぱりこの日はそこまで暑くはなかったのだと思う)、帰宅してすぐにお風呂を溜めて入浴。お風呂上りのビールが楽しみだな〜、なんて呑気に思っていた。

が……まさにそのお風呂上りに突然体調がおかしくなった。

ぐるぐるとめまいがして、足がフラフラする。力が入らない。
「のぼせたかな? そんなに長湯はしてないんだけどな」とスポーツドリンクをぐびぐび飲んで、ソファに横になってみる。
そして、そのまままったく起き上がれなくなってしまったのだ。