焼肉でチームメイトをおもてなし

アスリートとは縁遠い存在というイメージだが、ポテトチップスだって時には食べる。2021年9月、私は米国出張にあたって大谷に「東京ばな奈」とカルビーがコラボした進化形ポテトチップス「じゃがボルダ」(カツオと昆布のうまみだし味)を渡したことがあった。

当時はコロナ禍の影響でクラブハウスでの取材ができなかったため、球団関係者を通じて渡したが、後日に水原一平通訳が「人生で食べたポテトチップスで一番おいしかったらしいです」と大谷からの伝言を届けてくれた。同年は試合後に主砲トラウトの部屋に選手数人で集まってピザやチキンウイングを頼んで、テレビのニュースで他球団の結果やハイライト映像を見ながら、交流を深めることもあったという。

好物は焼肉、大の苦手はトマト。大谷翔平をつくる食生活のリアル_3
写真:アフロ

好物は焼き肉、寿司。遠征先からアナハイムに戻ってきた今年の5月19日のオフには水原一平通訳、先発左腕サンドバル、外野手マーシュと4人で、焼き肉店で外食を楽しんだ。
マーシュ、サンドバルにとっては初めての日本式の焼き肉。大谷と水原通訳が全てのメニューを注文して、「おもてなし」した。

ユッケ、タン、リブキャップ(リブロース上部の希少部位)などに挑戦したサンドバルは「本当に最高だった」と振り返り、マーシュも「全てが初めての経験で楽しかった。ボンディング・エクスペリエンス(絆を深める経験)だった」と感激の表情を浮かべた。

21年シーズン後の日本帰国時には外食に行く時間がなかったため、久々の焼き肉を仲間たちと楽しんだという。

大谷は7月5日に28歳の誕生日を迎えた。一般的には心技体においてプロアスリートとして全盛期にあたるが、明治の担当者によれば、大谷は「30歳くらいまでは体の進化を求め、技術はその後に追い求める」と話しているという。現代野球の常識を覆す活躍を続ける二刀流。「食生活」に注目すれば、今後の進化のヒントが見えてくるかもしれない。