堅実な親の背中と奨学金生活で培った“身の丈”

いったいなぜ、これほどまでに地に足のついた金銭感覚を保ち続けられるのか。

「やっぱり、生活水準を上げすぎたらダメだという危機感が根本にあるんですよね。一度贅沢な暮らしに慣れて生活レベルを上げてしまうと、それが癖になって絶対に下げられなくなる。もちろん、学生時代からまったく変わっていないわけではありませんが、調子に乗って生活を変えないことが一番の防衛策なんです」

とはいえ、我慢はまったくしていないという。こうした暮らしぶりは、一体どこで育まれたのか。

堅実な親の姿を見て学んだ金銭感覚(写真/廣瀬靖士)
堅実な親の姿を見て学んだ金銭感覚(写真/廣瀬靖士)

「うーん…なんだろうな…。別に、親から何か言われたような記憶もないし、近くにお金で大きな失敗した人がいるわけでもないですし…。小さいころのお小遣いもごく一般的な金額でしたし、その使い道を細かく管理されたこともありません。

強いて言うなら、親がどちらかというと堅実な人たちだったんです。その姿を近くで見て育ったから、僕にも自然と身についただけかもしれません」

さらに、大学時代の生活も、彼の金銭感覚を形作った原点だった。

「大学のころは、奨学金を借りていましたし、生活は自分のバイト代でやりくりしていました。だからYouTubeを始める前までは、手元にまとまったお金があったことは一度もありません。質素に暮らすことが僕にとっての日常であり、当たり前だったんです」

学生時代に培われた身の丈の感覚は、FIREを達成した今もブレていない。その一方で、ネット上ではお金をめぐる親子の関係性に、思わぬ誤解もあったとか。

「母と話しているYouTubeの動画で『私(母)が通帳持ってる』というやりとりがあって『母親に全財産を握られている』と受け取られてしまったんですけど、全然違います(笑)。個人のプライベートのお金は自分で管理していて、立ち上げた会社の振込や経理を親にお願いしているだけ。決して干渉しすぎることなく、見守ってくれています」