独立し月40~50万円、夜勤込みで50万円超
一方、身につけた技術を生かし、独立によって収入を増やした人もいる。内装工事の経験約8年、現在は九州地方で一般住宅のリフォームなどを請け負う吉田さん(仮名・31)だ。
「地元で社員として働いていた頃は週6日勤務で、手取りが月27~28万円ほど。賞与は年3回、1回につき月給1カ月分くらいでした。今は独立して、経費や保険料を払った後で月40~50万円ほど残っています」
独立後は営業や見積書、請求書の作成も自分で行うため、仕事に費やす時間は増えた。それでも、休みを自分で調整できるようになったという。
吉田さんは途中、農業を学ぶため大学にも通った。しかし、農業で利益を出すには時間と投資するお金が必要だった。
「生活費を稼がなければいけなかったので、自分の中で一番、働く時間をお金にできる内装の仕事に戻りました」
現在は不動産会社3社ほどと取引があり、戸建て住宅などのリフォームを手がける。独立した職人に直接依頼することで、客側にもメリットがあるという。
「例えばワンルームの壁紙の張り替えなら、業者に頼むと20~30万円になるケースもありますが、僕なら14万~18万円くらいです。会社を通さない分、安くできます。
独立すれば誰でも年収1000万円を稼げるわけではないと思います。中部地方で働いていた頃は、周りにそれくらい稼いでいる人もいました。東京などなら、さらに狙える余地はあると思います。ただ、一人で1000万円を稼ぐのは難しい。親方として最低でも2~3人を連れて仕事をする形が必要だと思います」
業務用エアコンの入れ替えや洗浄を手がける黒木さん(仮名・32)も、親方が年収1000万円を稼ぐことは「十分ありえます」と話す。
黒木さんは知人に誘われ、未経験から空調工事の世界に入った。働きながら技術を覚え、高所作業車などの資格も取得した。
「一番多くもらった月は、25日くらい出勤して50万円ちょっとでした。ただ、夜勤も含んだ金額です」
業務用エアコンの清掃や入れ替えは、店舗の営業終了後に行なわれることも多い。そのため、昼夜を問わず現場を回ることもあった。
「夜から働いて朝方に終わり、そのまま午前8時から次の現場に入ることもありました。家に帰ってお風呂に入れればいい方で、現場近くの車の中で30分か1時間くらい寝るんです。最後の方は頭も回らなくなります」
黒木さんは1歳の娘を育てるシングルファーザーで、現在は育児休業中だ。復帰後は、以前のような働き方を続けるつもりはないという。
「今は子育てが一番です。収入があっても、夜勤が何日も続くような働き方は厳しいですね。別の仕事も考えています」













