「家系なんて好きじゃなかった」価値観を変えた衝撃の一杯

「そもそも、家系ラーメンって好きじゃなかったんですよ」

そう話すのは、元千葉ロッテマリーンズの捕手で、現在は野球解説者として活躍する里崎智也さんだ。

ところが2026年6月頃から、里崎さんのXには家系ラーメンの投稿が頻繁に登場するようになった。「本物の家系を探す旅」「好みの家系ラーメンを探す」といった言葉とともに、さまざまな店のラーメンを食べ、店ごとの味の違いを細かく発信している。

家系ラーメンとは、1974年に横浜で誕生した「吉村家」を源流とし、豚骨や鶏ガラを使った醤油ベースのスープを特徴とするラーメンだ。

その熱中ぶりはすさまじく、取材時点で3カ月あまりで26店舗の家系ラーメン店を食べ歩いた。しかも、単に「美味しい」「マズい」という発信ではなく、自分なりに味の傾向を分類し始めている。

いったい、なぜ里崎さんはここまで家系ラーメンにハマったのか。そして26軒の家系ラーメンを食べて見えてきた「家系」の世界とは――。そもそも里崎さんは、以前から家系ラーメンが好きだったわけではない。

「家系を食べるくらいなら、豚骨ラーメンとか醤油ラーメン、なんならそばやうどんでいいと思っていた」

というほどで、これまで食べた家系に対しては「しょっぱい」という印象が強かったという。

そんな里崎さんが家系に興味を持つきっかけとなったのが、YouTubeだった。「王道家」や「我道家」など、家系ラーメン店が発信するYouTube動画を見ているうちに、「そんなに美味しいのか」と興味を持つようになった。

そして2026年6月下旬、千葉・柏で仕事があった際に転機が訪れる。仕事先の近くを調べてみると、柏駅の仕事先とは反対側に「王道家」があることがわかった。

「せっかくだから行ってみようと思って。入り時間の1時間くらい前に、大雨の中並んで食べたんですよ」

そこで食べた一杯が衝撃だった。

里崎さんが衝撃を受けた「王道家 柏店」の一杯(写真/本人Xより)
里崎さんが衝撃を受けた「王道家 柏店」の一杯(写真/本人Xより)
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「こんなに美味しい家系ラーメンを食べたことがないぞと思って」

それまで家系ラーメンには、しょっぱいイメージしかなかったところが、王道家では最初に旨味が来て、そこから醤油の強いパンチが来る。そして、後味には単純なしょっぱさが残らない。

「今まで旨味を感じたことがなかったんですよ」

ここから、里崎さんの「好みの家系ラーメンを探す旅」が始まった。