「話を聞いて」とつぶやくとDMが次々来て……
「高校卒業後はイラストの専門学校に行きたい」と両親に伝えた。だが、その翌日、机の上に置いてあったのは分厚い紙の束。
「なんじゃこれって見たら、ネット記事が大量に印刷してあったんです。有名な漫画家さんが自殺したとか、好きなことを職にしたイラストレーターの人が苦しんでいる、みたいな。
置いたのは、たぶんお父さんです。もう、ビリッビリに破いて投げつけて、ふて寝しました」
大学入試センター試験を受けたが数学はほぼ白紙。結局、親が勧める大学の文学部に進学し、実家を出て寮に入った。
「大学デビューを頑張ろうと思って、社交ダンスサークルに入ったんです。でも、練習についていけず、逃げるように退会。『最初にうまく行かなかった』という挫折感のせいで、“人が怖い”というのがぶり返しちゃって……」
逃げ込んだ先はネットだ。ずっと好きだったアーティストのファン同士で恋愛関係になることも多く、ファンのコミュニティで「話を聞いてくれる人いませんか」とつぶやくと、次々とDMが来た。
「初めて付き合った人は、何股もかけて若い子にめっちゃ手を出してた。ろくな男じゃないのは百も承知ですよ(笑)。会ったのは1回だけで、Twitterのやり取りがほとんど。
自撮りを送ると『可愛いね』とか言ってくれたので、舞い上がっていたんだと思います。性的な写真を送ってほしいと言われて、もちろんダメなのはわかっていたけど、彼しかすがれる人がいなかったから、顔だけ隠してリクエスト通り送って……」
ネットで知り合った男性と一晩だけの関係を持つこともあった。
「体の関係を持っている間だけは、自分の苦しい気持ちを埋めてくれるんじゃないかという憧れみたいのがあって。でも、思ったより満たされなかったし、楽しくなかった。
そんなことを繰り返しているうちに、だんだんと心がすり減っていって、『もう人生終わってもいいや』って。ワンチャン、ヤバい人に当たって、死んでニュースに出れば、親にも苦しみが伝わるだろうみたいな」

















