父親に毎日4、5時間監視されて勉強を強要される

「インターネットに傷つけられたこともあったけど、インターネットによって助かってるんですよね、命が。もし、インターネットがない時代に生まれていたら……と思うと怖いですよ」

「死んでいたかも?」と聞くと、虎井おんさん(20代後半)は真顔でうなずく。

虎井おんさん(撮影/集英社オンライン)
虎井おんさん(撮影/集英社オンライン)
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北海道で生まれ育った虎井さんは両親と弟の4人家族。父親は医師、母親は看護師で自宅の1階で診療所を営んでいた。

パソコンを与えられたのは10歳のときだ。アニメ『おジャ魔女どれみ』が大好きで、魔法使いに憧れて、よくイラストを描いていたという。

小学5年生の頃、飼っていた猫が亡くなった。悲しくて「将来は獣医さんになりたい」とポロッと口にしたことがきっかけで、虎井さんの生活は一変する。

宿題や夕飯、お風呂が終わると1階にある院長室に行く。そして、父親がつきっきりで勉強を見てくれたのだが――。

「どうしてわからないんだ‼」

普段は物静かな父親が机をバーンッと叩いて、怒鳴ることもあった。

写真はイメージです(写真/AdobeStock)
写真はイメージです(写真/AdobeStock)

「通信教育の中学受験コースなんで、すごく難しいんですよ。特に算数が苦手で。父親を怒らせるのがたまらなく怖いから、解かないといけないんだけど、なんにもわっからないみたいな、グルグル思考が出てきて……。毎日、4、5時間監視されて、今日の分が終わらないと上(の自宅)に戻れないっていう。

周りの同級生は誰も受験しないから、『中学受験だけは勘弁してください』と言って地元の中学に進んだけど、その後も、とにかくいい高校、いい大学に行けと言われて、すごくツラかったのを覚えています」