CIAのトップが異例のモスクワ入り
ロシアの軍事力と経済に陰りが見えるなか、8月25日、米中央情報局(CIA)のトップがモスクワ入りした。CIA長官ジョン・ラトクリフである。CIA長官ジョン・ラトクリフである。
彼が持ち込んだのは、極めて冷徹な情勢判断だった。ロシアの軍事・経済状況は今後さらに悪化しかねず、条件がさらに不利になる前に和平交渉に応じるべきだ―というメッセージだったという。
移動には巨大な軍用輸送機C-17が使われ、滞在時間はわずか8時間半。この訪問は事前に一切公表されておらず、秘密裏に行われるはずだった。
ところが、機体の飛行経路は民間の追跡サービスに捕捉され、米外交ナンバーを掲げた車列も目撃された。「秘密訪問」と呼ぶには、あまりにも露見した形となった。
ロシアの独立系メディアが伝えるところでは、プーチン大統領はラトクリフとの会談を予定していたが、直前に一方的に中止したという。
そして同じころ、ロシアの公開記録では大統領令605〜607号が公表されないまま、番号だけが飛んでいることも注目を集めた。
米国の存在感を誇示する軍用機、実現しなかったとされる会談、そして内容が伏せられた大統領令。これらが本当に無関係だと言い切れるのだろうか。
秘密にしておくには、あまりに目立ちすぎた
2026年8月25日、米空軍のC-17グローブマスターIIIがラトビアの首都リガを離陸し、モスクワのヴヌコボ空港に降り立った。
戦車やヘリコプターの輸送が可能なこの大型機は、諜報機関のトップがひそかに移動する際に思い浮かぶ、目立たない小型ジェットとは対照的だ。
米政府は訪問を事前に明かさなかったが、機体は公開のフライト追跡サービスに映り込み、モスクワ中心部では車列も確認された。意図的に見せたのかどうかは断定できない。
ラトクリフのモスクワ滞在はおよそ8時間半。クレムリンによればプーチンとの直接会談はなかったが、協議の内容はプーチンに伝達されたという。
実際にラトクリフが面会したのは、対外情報庁(SVR)長官セルゲイ・ナルイシキンと、連邦保安庁(FSB)長官アレクサンドル・ボルトニコフだった。ナルイシキン自身も会合の事実を認めている。













